風景を読む

数十もの国際航路で世界を結んだ神戸港。内外の船が多数停泊していた新港地区は夜になるとミナトらしい顔を見せる=神戸市中央区(撮影・三津山朋彦)
■見えない越境者を包み込む
戦時下の海港の歴史は、国家とそれに抗する人々のせめぎあいのドラマを秘めている。国家意思は軍艦や税関、警察署等に可視化されるが、抵抗する人々の行動は隠密である故に見えにくい。そのため、彼等の軌跡をたどり直すためには、小説というフィクショナルな言説形式が必要である。神戸の富と権力を象徴する壮麗な建築遺産の立ち並ぶ海岸通り一帯は、そのような小説の舞台でもある。
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