風景を読む

住宅地の中には地蔵や石碑が随所に見られる。観光客が集まる場所とはまったく異なる空間がある=豊岡市城崎町湯島(撮影・三津山朋彦)
■寄る辺なき女たちを引き受けて
JR山陰線の城崎温泉駅(兵庫県豊岡市城崎町今津)をおりて駅前広場を左折し、円山川と鉄道に沿う一本道を南下する。城崎小学校の横を過ぎ、前方左手に青色の城崎大橋(現在、架け替え工事が行われており、数年後にはより下流に新しい橋が完成するという)が見える地点まで来ると、右側に住宅街が広がり、その中を幅の狭い山道が伸びている。坂を上ると「山荘 足軽」と書いた旅館の前に出る。その先は「けものみち」になっており、大木が何本も倒れていて通行できない。しかし、昔ここはハイキングコースになっており、城崎温泉ロープウェイの駅や、山向こうの城崎温泉街の南端、極楽寺や「まんだら湯」のあたりに出ることができたという。
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