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 昨年11月、国際都市神戸市を舞台に繰り広げられた第5回神戸マラソンの意外な一面を知る。全参加ランナー2万人に対して、外国人観光客らの「海外ランナー」は515人で、わずか2・6%にすぎない。

 日本の市民マラソンはここ数年、海外ランナーが増加する傾向にある。にもかかわらず、同規模の大会と比較して、神戸マラソンは極端に少ないのだ。

 実行委員会事務局によると、大阪マラソンは3万2千人に対し、海外ランナーは3225人。京都マラソンは1万6千人中、2372人で、ともに全ランナーに占める割合は10%を超える。

 今年で10回を数える東京マラソンは、出場者の13・7%にあたる5067人が首都を駆け抜けた。

 第6回大会以降の運営を話し合う「これからの神戸マラソンの在り方検討委員会」が3月に提言をまとめた。そこで指摘された課題の中に、海外での認知度の低さがあった。

 提言は第10回大会までに、定員の8%程度にあたる1600人を目標に海外ランナーを呼び込みたいとしている。

 具体的な取り組みとしては、アジアからの来訪を見込んで、今春から大会ホームページに英語、中国語、韓国語のPRビデオをアップする。

 また、旅行代理店との連携強化を進める。会員制交流サイト(SNS)などネットワークを活用した参加者の情報発信にも、期待を寄せている。

 神戸市には、年間74万5千人(2014年)の海外観光客が訪れている。さらに19年にはラグビーのワールドカップ、20年は東京五輪・パラリンピック、21年は関西ワールドマスターズゲームズと、立て続けに国際イベントが開催される。

 これらの機会を生かさない手はないだろう。うまく追い風に乗りたい。

 在り方検討委員会は提言の中で、ほかにもいくつか改善に向けた論点を挙げている。例えば、トップランナーと市民ランナーが共存して競走できる大会をどう実現するのか。終盤に急勾配のあるコースは見直した方がいいのか。

 大会はある程度軌道に乗ったとはいえ、まだまだ改善の余地を残す。検討委員会の提言に取り組むことで、可能性が広がる。弱みを克服し、強みに変えたい。

2016/4/4
 

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