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「自分のペースで完走したい」と仕事場で語る今中一寿さん=神戸市兵庫区下沢通2
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「自分のペースで完走したい」と仕事場で語る今中一寿さん=神戸市兵庫区下沢通2

「自分のペースで完走したい」と仕事場で語る今中一寿さん=神戸市兵庫区下沢通2

「自分のペースで完走したい」と仕事場で語る今中一寿さん=神戸市兵庫区下沢通2

 20日開催の神戸マラソンに、がんで闘病中の税理士今中一寿(いちじゅ)さん(77)=神戸市須磨区=が挑む。3年前、胃がんと分かり、一度は「人生もういいや」と思った。でも胃を5分の4切除しても食事ができたし、フルマラソンも完走できた。そして今夏、肝臓へのがんの転移が見つかる。喜寿を迎えた今中さんは「行けるところまで行きたい」と再び前を向き、ゴールを目指す。(長嶺麻子)

 姫路税務署長だった約20年前、同僚に勧められて走り始めた。定年退職後に出たハーフマラソン大会では年代別で優勝。これで、マラソンに「はまった」。米国のホノルルやボストン、豪州のゴールドコーストと、フルマラソンで海外の大会にも出場した。

 最初のがんが見つかったのは3年前。約4カ月後に神戸マラソンの出場を控えていた。自暴自棄になったが、どうしても走りたくて、すぐに手術してくれる病院を探し、何とか完走を果たせた。今までにない達成感だった。

 ベストタイムは2001年に出した3時間22分37秒。その後、少しずつタイムを落としたが、年代別では常に上位に名を連ねた。90代で走る人がいる。「いつか自分も」と思っていた。

 神戸市兵庫区の事務所に出社する前に5~10キロ走り、日曜には30キロをこなす。「何もしなければ気持ちがふさいでしまう」。抗がん剤治療を続け、大会に合わせて治療のスケジュールを組んだ。副作用で頭が重かったり、体がだるかったり。練習はままならなかったが、大会2週間前でいったん投薬をやめ、走る距離を延ばしてきた。

 「今回は制限時間内(7時間)の完走が目標」と笑う今中さん。「がんになって不安を抱える人はたくさんいると思う。でも気力と目的を持って向き合えば、何かが見えてくるはずだ」と自らにも言い聞かせる。

2016/11/18
 

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