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 「神戸マラソン」が20日に開催される。第6回を迎え、国内外から参加する2万人の市民ランナーが、晩秋の港都を駆ける。

 第1回大会以来、阪神・淡路大震災で国内外から寄せられた支援への「感謝と友情」をテーマとする。選手のエントリーに「被災地枠」を設け、阪神・淡路と他の被災地の縁を結びつけてきた。世界各地で発生する自然災害の被災者にもエールを発信し続けてきた。

 今年の熊本地震で被災した熊本県から応募があったランナー258人は、全員を「当選」とした。東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島県からも388人が参加登録する。力いっぱいの走りを披露して、地元に元気を持ち帰ってほしい。

 東日本大震災の被災地からは、仙台三桜(さんおう)高音楽部(仙台市)も招待する。スタート地点で神戸山手女子高と一緒に、阪神・淡路大震災から生まれた歌「しあわせ運べるように」を合唱する。これからも市民マラソンを通して被災地間の多様な交流を深めていきたい。

 今回からレースが少し変わる。クオーターマラソン(10・6キロ)を廃止し、フルマラソンに一本化した。これにより、ニーズの高いフルマラソンの定員が2千人増えることになる。当選倍率の高い大会だけに、参加者には朗報だった。

 それに伴い、スタートに時間差を設ける「ウエーブスタート」を採用する。スタート時やコース走行中の混雑緩和が期待できる。2万人規模の都市型マラソンでの導入は初めてといい、新たな試みに注目が集まる。トラブルなく乗り切り、全国の大会にその成果を示したい。

 大会運営面で一つ気がかりな点がある。倍率が第1回大会以来、5年ぶりに4倍を下回ったことだ。参加料を入金したランナーは定員に達しなかった。

 フルマラソンの定員が増えた影響もあるだろう。大会実行委員会事務局は、同時期に重なった他大会に流れたことが原因と分析する。3年連続して追加抽選を行った。

 国内のマラソン大会は増え続け、飽和状態になりつつある。危機感を抱く実行委員会は、毎年新たな試みに取り組んできた。競争が激しくなる中、参加者の期待が膨らむような神戸ならではの魅力ある都市型マラソンを模索し続けたい。

2016/11/13
 

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