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雪乃ちゃんを抱き、「感謝を込めて走りたい」と話す北村佳子さん=明石市藤江(撮影・大森 武)
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雪乃ちゃんを抱き、「感謝を込めて走りたい」と話す北村佳子さん=明石市藤江(撮影・大森 武)

雪乃ちゃんを抱き、「感謝を込めて走りたい」と話す北村佳子さん=明石市藤江(撮影・大森 武)

雪乃ちゃんを抱き、「感謝を込めて走りたい」と話す北村佳子さん=明石市藤江(撮影・大森 武)

 無事に生まれてきてくれてありがとう-。20日の開催まで、あと1週間となった第6回神戸マラソン。今年1月、胎盤剥離のため救急搬送され、長女の雪乃ちゃん(9カ月)を出産した会社員北村佳子さん(33)=兵庫県明石市=がスタートラインに立つ。2度目の挑戦は、走る理由が変わった。「これからもよろしくね」。娘への感謝と、母としての決意を新たにゴールを目指す。(貝原加奈)

 出産予定日までは順調だった。しかし予定日の翌朝、大量の出血があり、夫の憲康さん(32)とかかりつけの病院へ急行。エコー検査を受けると、即座に「救急搬送」と声が上がった。

 救急車での搬送中、感じられなくなった胎動と、弱まっていく心拍音に不安が募った。

 1時間ほどの緊急帝王切開手術で生まれた娘は仮死状態だった。かすかな泣き声が上がり、安堵(あんど)したのもつかの間、集中治療室へ運ばれていった。

 「あと15分処置が遅かったら危なかった」「この子はすごい運を持っているね」。出産後、医師や看護師から危険な状態だったと知らされた。日曜日で憲康さんが家にいたこと、偶然に人出の多い時間帯に病院に搬送されたこと。「いろんな運が重なって、娘の命が無事にあるんだと考え、寝られなかった」

 ミルクをよく飲み、生命力にあふれた雪乃ちゃんは、2日後、集中治療室から出てきた。恥ずかしがり屋の娘は今、元気に大きく成長している。

 夫に誘われ、走り始めたのは6年ほど前だった。初のフルマラソン挑戦は、2014年の神戸マラソン。沿道の声援や、走り終えた後の達成感がやみつきになった。

 雪乃ちゃんの誕生日は阪神・淡路大震災と同じ1月17日。自身も3歳まで神戸で育ち、不思議な縁を感じている。母となって挑むマラソンは目前。「雪乃に頑張る姿を見てもらいたい」と、育児の合間に練習に励む。

 「この先も何が起こるか分からないけど、完走することで、娘と歩んでいく自信につながると思うんです」

2016/11/13
 

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