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完走し、笑顔を見せる熊本県玉名市の消防士吉田憲司さん=神戸市中央区(撮影・大山伸一郎)
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完走し、笑顔を見せる熊本県玉名市の消防士吉田憲司さん=神戸市中央区(撮影・大山伸一郎)

完走し、笑顔を見せる熊本県玉名市の消防士吉田憲司さん=神戸市中央区(撮影・大山伸一郎)

完走し、笑顔を見せる熊本県玉名市の消防士吉田憲司さん=神戸市中央区(撮影・大山伸一郎)

 今年も「ありがとう」の思いがつながった。阪神・淡路大震災からの復興と感謝を伝え、20日に6回目の開催となった神戸マラソン。今年4月、震度7の揺れに2度見舞われた熊本からも200人近い人が出場し、神戸の街を駆け抜けた。支援への感謝を胸に一歩を踏み出す人、その思いを受け止めた人。黄色のグッズがあふれ、約60万人が声援を送った沿道は、復興を象徴する「ひまわり色」に染まった。

 「ご支援ありがとう」。熊本・玉名消防署の消防士吉田憲司さん(51)は、そう手書きしたメッセージを胸に付けた。気付いたランナーから、沿道から、寄せられた励ましと拍手。復興した神戸の街並みに、いまだに傷跡が残る地元が重なる。「熊本も大丈夫だよ」。そう言われてるようで、涙をこらえた。

 熊本で最初の震度7を記録した4月14日夜。発生から2時間後、家屋倒壊が相次いだ益城町の集落に派遣され、救助現場で指揮を執った。1階が押しつぶされたアパートから女性1人を救助したが、別の家では犠牲者を確認した。

 今も倒壊した建物が残り、多くの人が仮設住宅で暮らしている。今も揺れがあり、阿蘇山の噴火も続いた。「いつ終息するのか、めどが見えない」

 神戸マラソンを走るのは初めて。2人の息子が独立したころからマラソンを始め、今回は神戸市中央区でパン職人を目指して修行する次男にエールを送ろうと出場を決めた。

 走りながら目にした神戸は、阪神・淡路大震災の発生当初に報道された街とは思えないほど、美しかった。

 一方、損壊した「県民のシンボル」熊本城は、復旧の目標は20年後だ。そのとき、神戸のようになっているだろうか。「ゴールは遠いけど、一歩一歩進めばたどり着ける」。自らに言い聞かせ、熊本に戻る。(石川 翠)

2016/11/20
 

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