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まちある調査団

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部員4人(前列)が日替わりで主将を務める垂水中野球部=神戸市垂水区上高丸1、垂水中学校
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部員4人(前列)が日替わりで主将を務める垂水中野球部=神戸市垂水区上高丸1、垂水中学校

【1チームに複数の主将。その特性や効果を調査せよ!】

 神戸市内の中学野球部を取材すると、複数の部員が主将を務めるチームがあることに驚く。何と4人の日替わり制を導入しているチームも登場した。広島県出身の私にはなじみのない光景だ。ほかの都市にはあるのか? 文部科学省に尋ねてみると「聞いたことのない取り組み」との返答。「チームがまとまるのか」「どんな効果があるのか」。“神戸方式”ともいえる複数主将制について調べた。(小西隆久)

 神戸市教育委員会などによると、複数主将制が始まったのは約10年前。現在、市内5校の野球部が導入しているという。

 昨年から主将を2人にしている西代中(長田区上池田)では、生徒会活動などで1人が不在でも、もう1人が練習を引っ張れるという。監督の久保隆則教諭は「一方通行になりがちな監督とリーダーとの対話を改善したかった」といい、「1人に頼りすぎることもなくなり、話しやすくなった」と強調する。

 垂水中(垂水区上高丸)では4人の主将が登場。日替わり制で、試合がある日は、その日の主将が務める。監督の塚田浩之教諭は「1人を主将にすると、ほかの部員が何もかも主将に押しつける傾向が強い。複数制導入で部全体を考えられる部員が増えた」と効果を挙げる。主将の一人、前田展希君は「自分だけで考えられなかった練習内容も相談しながら決めることができ、部の運営がやりやすくなった」と話す。

 その一方で、塚田教諭は「昔は主将の責務が成長のバネとなってきたが、最近の子どもは1人で重圧に耐えられず、つぶれてしまう子どももいる」と明かす。

 競技ルール上の問題はないのか。日本中学校体育連盟(東京都)などによると、試合で提出するメンバー表は便宜的に主将を1人としているだけで明確な規約はないという。同連盟事務局は「主将の人数は各校の事情に合わせて運用してもらえばいい」としている。

 中学校の部活動などについて研究する兵庫県立大健康・スポーツ科学研究室の土肥隆教授は、大阪市内で顧問から暴行を受けた主将の男子部員が自殺した問題に触れ「これからは指導者と生徒の関係が一方的にならないような配慮が必要になる」と指摘。「複数の主将を選び、部全体の底上げを図ることは教育的効果の面からも意味が大きい」と評価する。

2013/7/5

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