連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

まちある調査団

  • 印刷
研修室を備えた県立海洋体育館の管理棟。いわゆる「体育館」はありません=芦屋市浜風町
拡大
研修室を備えた県立海洋体育館の管理棟。いわゆる「体育館」はありません=芦屋市浜風町
芦屋浜にあり、マリンスポーツが楽しめる県立海洋体育館の陸置き場(撮影・風斗雅博) =芦屋市浜風町
拡大
芦屋浜にあり、マリンスポーツが楽しめる県立海洋体育館の陸置き場(撮影・風斗雅博) =芦屋市浜風町

<まちある調査団>愛称「芦屋マリンセンター」正式には「県立海洋体育館」 体育館?実は体育館でなく… 海洋スポーツ拠点、ヨットなどの艇庫で構成 「館」お気に入り?知事の一声で名称決定

 芦屋市浜風町の兵庫県立海洋体育館には、体育館がない-。謎掛けのようだが、そうではない。ある日、同僚から「海洋体育館って、体育館がない」と聞かされた。海に面する同館はマリンスポーツ施設として知られるが、いわゆる「体育館」がないというのだ。戸惑っていると同僚はさらに言い放つ。「海が体育館ってことなんじゃない?」。えっ、そうなの? 「名は体を表す」というのに、なぜ体育館なのか。由来を関係者に聞いた。(斉藤絵美)

 県立海洋体育館は夙川(西宮市)の河口に面した芦屋浜にあり、ヨットやカヌー、ボートが楽しめる施設として、1984年に開設された。大学の運動部や個人が所有する船を保管でき、定期的に講習会が開かれるなど市民が気軽にマリンスポーツを楽しめる場とあって、年間約7万人が利用する。現在は指定管理者の県体育協会が運営する。

 敷地約1万3千平方メートルには、主な建物は研修室を備えた管理棟と艇庫があるのみ。同館を所管する県教育委員会体育保健課に尋ねたところ、職員の山口力也さん(27)は「明確な由来がなくて、風説みたいなものですが」と前置きをしつつ、「名称は開設当時の知事(故坂井時忠氏)の一声で決まったそうです」と教えてくれた。

 同館を訪ねると、事業課長の坂東正仁さん(59)が、県体育協会の創立70周年(2000年)記念誌を見せてくれた。

 記念誌によると、同館が開設されるまでの県施設には、最後に「センター」が付く名称が多く、当時の関係者は「センターシリーズ」と呼んでいたという。海洋体育館も準備段階では「兵庫県海洋スポーツ研修センター」という仮称だった。しかし、次のはやりが来る。83年に新設された県立城崎大会議館(現城崎国際アートセンター、豊岡市)から「館シリーズ」が始まる。そして、84年にオープンした芦屋の海洋体育館に続き、85年開設の県立文化体育館(現神戸常盤アリーナ、神戸市長田区)や県立総合体育館(西宮市)にも「館」が付けられた。

 海洋体育館には当然、「バレーボールはできますか?」といった問い合わせが相次いだ。そのため91年には愛称を公募し、「芦屋マリンセンター」と決まった。だが、その愛称も浸透しきらず、今でも年に数件は「体育館として使えるか」という電話があるという。

 広辞苑(こうじえん)で引いてみると、体育館とはそもそも、「体操・競技などを行うために設備された建物」。「体育館というとハコモノをイメージしがちだが、体育をする施設なので、名称に間違いはない」と坂東さん。山口さんも「愛称もあるので、名称の変更は考えていない」とする。

 最後に、坂東さんに「海が体育館ですかね?」と尋ねると、「海はうちの施設ではありません」とまっとうな答えが返ってきた。

 同館ではヨットが体験できる講座(対象は小学3年生以上)を随時開催している。県立海洋体育館TEL0797・32・2255

2018/8/30

天気(8月12日)

  • 34℃
  • ---℃
  • 30%

  • 35℃
  • ---℃
  • 40%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

  • 36℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ