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まちある調査団

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2013年に最高倍率の物件があった兵庫駅西住宅。JR兵庫駅に近く、単身者向けの部屋が人気という=神戸市兵庫区駅前通4
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2013年に最高倍率の物件があった兵庫駅西住宅。JR兵庫駅に近く、単身者向けの部屋が人気という=神戸市兵庫区駅前通4

 神戸市が管理する市営住宅は約5万2千戸。居住世帯数に占める割合は政令市の中でも2番目に多いが、年2回の定時募集では当選倍率が千倍を超える物件も出る。好条件が重なったとしても、ここまで競争が激しくなるものだろうか。(小川 晶)

 神戸市によると、全国20政令市の市営住宅で、世帯数に占める整備戸数の割合(今年3月時点)は、北九州(7・7%)が最も高く、神戸が7・5%で続く。神戸市は、阪神・淡路大震災後に復興住宅として約1万5千戸を確保した影響が大きいという。

 同市の定時募集は春と秋の年2回で、空きが出た部屋を希望者が指定して申し込む。過去3年で最高倍率だった部屋のある住宅は、2011年=筒井(中央区、969倍)▽12年=神楽(長田区、1255倍)▽13年=兵庫駅西(兵庫区、1253倍)。各年の上位5件でも、15件中14件が500倍を超える。

 同市の担当者は「『多回数落選者』に対する優遇措置で、同じ物件に対し1人が複数の抽選枠を持っているケースがあるから」と説明する。通常の応募者の抽選枠を1枠とすると、落選が5回以上=3枠▽10回以上=4枠▽15回以上=5枠▽20回以上=6枠-を与える制度で、多回数落選者が応募した物件は人数以上の倍率になる。

 この方式の優遇措置は、09年の募集方法変更をきっかけに導入したという。08年までは区ごとに一括して希望者を募り、抽選順に区内の好きな住宅を選んでもらっていたが、当選順が後ろになると「入りたい物件ではない」などと辞退が続出していた。09年から部屋ごとに募る方法に切り替えたが、辞退者が減る一方で多回数落選者が増える可能性があり、“救済制度”として設けたという。

 しかし、11~13年の最高倍率物件は応募人数が300~440人と依然多い。駅から近く、エレベーターなどの設備が整っている住宅に人気が集中する一方、交通の便が悪いなどの理由で応募ゼロの物件も定時募集の約1割に当たる50カ所程度あり、物件間の格差が倍率高騰に拍車をかけているとみられる。

 同市は、過去の競争倍率を住宅ごとに公表し、応募を分散させようと工夫するが、なかなか平準化しない。担当者は「高倍率を承知の上で応募してくるケースもあり、住宅困窮者向けという公営住宅の趣旨を踏まえると、どこまで優遇すべきか判断が難しい」とする。

【優遇措置 分かれる対応】

 兵庫県や県内中核市が管理する公営住宅でも、競争倍率が100倍程度に達するケースがあるというが、多回数落選者への優遇措置は対応が分かれている。

 定時募集を年2回実施する尼崎市は、直近3年以内に連続して2回以上落選した人を対象に「3割優先」という独自のルールを定めている。例えば、10戸の募集がある住宅の場合、このうち3戸を優先ルールの対象者だけで抽選。漏れても、一般応募者向けの7戸の抽選に回れる仕組みだ。

 ただ、制度が適用されるのは同市が指定した一部の住宅で、担当者は「人気が集まるような物件には設定しないので、優先資格があっても使わない人もいるだろう」とする。

 年4回募集する姫路市や西宮市は「落選回数にかかわらず、同じ条件で選考するのが原則」などとして特別な対応はとっていない。神戸市とほぼ同じ約5万3千戸を管理する兵庫県は、定時募集を毎月実施しており、「入居のチャンスが多く、優遇措置の代わりになる」と説明する。

(小川 晶)

2014/12/25

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