連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

まちある調査団

  • 印刷
吉田利栄さんの写真で竹田城跡は「天空の城」として知られるようになった=2007年11月3日、朝来市和田山町の藤和峠から(吉田さん提供)
拡大
吉田利栄さんの写真で竹田城跡は「天空の城」として知られるようになった=2007年11月3日、朝来市和田山町の藤和峠から(吉田さん提供)
缶コーヒーのCMに出演する満島ひかりさん(サントリー食品インターナショナル提供)
拡大
缶コーヒーのCMに出演する満島ひかりさん(サントリー食品インターナショナル提供)
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 「最近なんですよ、知られるようになったの。ずっとここにあったのに-」。朝来市和田山町竹田の国史跡・竹田城跡を舞台にした缶コーヒーのCMで、女優満島ひかりさんがつぶやくせりふが耳に残った。今でこそみんな知ってる竹田城跡。はて、有名になったのはいつから?(長谷部崇)

 日本屈指の山城として知る人ぞ知る存在だった竹田城跡。一昔前まで登城ルールはなく、1日の見学者も数えるほどで、山を登って下りるまで誰にも会わないことも珍しくなかったという。1989年に映画「天と地と」のロケで大規模な天守閣が建てられ一時注目を集めたが、「セットが撤去された途端、人の姿はなくなった」(市竹田城課)。登城者数は駐車場トイレの使用量から大まかな推計を出していた。

 同課によると、ブームのきっかけは2006年2月、公益財団法人「日本城郭協会」(東京)が発表した「日本100名城」への選出。知名度の低さ故か、一般からの投票は少なかったが「城郭発達史や地域的特色から欠かせない」と、建築史の専門家ら選定委員6人が推す中に入った。これを機にリュックを担ぐ「歴女」ら歴史ファンの姿が見られるようになったという。

 翌07年には地元の写真家で、昨年神戸新聞社会賞を受賞した吉田利栄(としひさ)さん(84)の写真で「雲海に浮かぶ天空の城」として注目を集める。まず、7月に発行された100名城の公式ガイドブックが、吉田さんの写真を巻頭見開きで紹介。編集に携わった同協会の元評議員、福代徹さん(75)=横浜市=は「全国から集めた100名城の写真の中でも、雲海の竹田城跡は城へのロマンをかき立てられ、最も目を引いた。われわれも城巡りをポピュラーにしたい気持ちが強く『これだ!』と」。

 同年11月の雲海シーズンごろから新聞やテレビ、雑誌などが竹田城跡を取り上げ、合わせて吉田さんの写真も大きく掲載された。「いくつ取材を受けたか正直分からない」と吉田さん。「こんな城があるらしい」とのうわさは、雲海の写真とともにネットで拡散していく。

 旅行会社は09年ごろから竹田城跡のツアーを組み始め、観光客は年々増加。人気拡大を受けて映画やドラマのロケが相次ぎ、中でも、俳優高倉健さん主演の映画「あなたへ」の公開(12年8月)後はファンからの問い合わせが殺到、目に見えて人が増えたという。

 さらに13年12月には、大手検索サイト「グーグル」の「冬のお出かけ」のCMで登場。これで若い世代にも浸透したようだ。特定のキーワードの検索数の推移を調べる「グーグルトレンド」に「竹田城」と打ち込むと同月は群を抜いており、影響の大きさがうかがえる。

 13、14年度は2年連続50万人を突破し、15年度も約42万人。推計2万人だった10年前からは考えられない状況に、ある市職員は「夢見てんのかねえ」と缶コーヒーCMのタモリさんのせりふをつぶやいていた。

2016/4/7

天気(10月29日)

  • 22℃
  • ---℃
  • 0%

  • 20℃
  • ---℃
  • 10%

  • 22℃
  • ---℃
  • 0%

  • 22℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ