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まちある調査団

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理研再生研の建物壁面に掲げられているロゴマーク。発足当初の研究者らの熱い思いが込められている=神戸市中央区港島南町2
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理研再生研の建物壁面に掲げられているロゴマーク。発足当初の研究者らの熱い思いが込められている=神戸市中央区港島南町2

 STAP細胞をめぐる一連の問題や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究など、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)が注目され続けたこの1年。赤茶色の施設を目にするたび気になっていたのが、壁面のロゴマークだ。略称「CDB」の上2段、下1段に複雑な模様が並んでいる。象形文字のようにも見えるが…。(小川 晶)

 上から1段目は一般常識、2段目は高校生程度、4段目は生物専攻の大学生や研究者-。

 学生時代、考古学専門だった文系記者に、理研発生・再生科学研究推進室の泉奈都子さんが、ロゴの“読解”に必要な知識レベルを示してくれた。

 1段目のねじれ模様は、テレビ番組のコンピューターグラフィックスなどでもよく紹介されるDNAの二重らせん構造。これは、何となく想像がついた。

 受精卵の細胞分裂の過程を左から順に並べたのが2段目。高校の生物の教科書でもカエルなどの事例で取り上げているそうだが、思い出せない。

 抽象的な形状が多い4段目になると、絵柄の難解さとは裏腹に泉さんの説明が「むにゅっとした」(左端)、「キノコみたいな」(中央)などと親しみやすくなる。正解は、動物の祖先から哺乳類まで、5段階の生物の胚を並べたもの。代表例でいうと、左から順にカイメン、ヒドラ、プラナリア、ハエ、ヒト-とのことだが、ぴんときたのは、ハエとヒトだけだった。

 「素人には分かりづらいですよね」。負け惜しみにも似た感想を向ける記者に、泉さんは「生き物について、さまざまな角度から研究をしているということが伝われば」と笑いながらロゴの由来を話してくれた。

 2000年、再生研発足に際し内部でロゴ制作の機運が高まり、倉谷滋チームリーダー(現グループディレクター)がデザイン。発生生物学研究の象徴として、遺伝子▽細胞▽胚発生▽進化-の四つの要素をあえて単純化せずに詰め込んだそうだ。当時、独自にロゴを持つ理研の組織は少なかったといい、関係者は「独立した意思で自由度の高い研究を、という気概の表れだった」と振り返る。

 STAP細胞をめぐる問題を受け、11月にも「多細胞システム形成研究センター(仮称)」へと刷新される再生研。ロゴがどうなるかは不透明とのことだが、揺らん期の研究者たちの志は、ぜひ引き継いでほしい。

2014/10/23

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