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まちある調査団

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メモ書きできるページがあったかつての警察手帳
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メモ書きできるページがあったかつての警察手帳
2002年に一新された警察手帳(警察庁のホームページから)
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2002年に一新された警察手帳(警察庁のホームページから)

 「兵庫県警○○署の○○です」。事件現場周辺の聞き込み捜査で、捜査員が胸ポケットから警察手帳を取り出し、提示する。チョコレート色の革製で縦約11センチ、横約7センチ。二つ折りを縦に開くバッジケースタイプだ。刑事ドラマでもおなじみの光景だが、ふに落ちないことがある。メモを書き込むページがないのに、「手帳」と呼ばれていることだ。旧式の手帳にはメモ機能があったはずだが…。どのような経緯があって今の形になったのか、調べてみた。(小森有喜)

 広辞苑(こうじえん)で「手帳」を引いてみる。「心覚えに雑事や必要事項を記入する小さな帳面」とある。

 人気を集める、コピーライターの言葉が書き込まれた「ほぼ日手帳」やファミリアがデザインした神戸市の母子手帳などには、確かにメモ機能がある。

 この定義でいくと、警察手帳は「手帳でない」ことになる。

 開くと上側には、顔写真と名前、階級などが記されたカード。下側には都道府県警名が組み込まれたエンブレムが付いている。規格やデザインは全国で統一されているという。

 いつからメモ機能がなくなったのか。県警装備課の山本寿美子次席に尋ねてみた。

 「以前は『記載用紙』と呼ばれるメモが挟み込まれていたが、16年前のリニューアルでなくなった」。デザインは米国の連邦捜査局(FBI)のバッジケースを参考にしたそうだ。

 2000年前後、神奈川県警で、警部補の覚醒剤使用隠蔽(いんぺい)事件が発覚するなど全国で警察の不祥事が続発した。国家公安委員会は「警察刷新会議」を立ち上げ、その議論の中で「警察官の匿名性を排除し、職責への個々人の自覚を促す」との目的で、02年に身分証明に特化した機能に一新したという。しかし、名称は変えなかったという。

 メモ機能がなくなったことについて、警察庁広報室は「『あまり使わない』という現場の警察官の意見を反映した」と説明する。兵庫県警の幹部は「縦に細長くて書きにくかったし、自分で別のメモ帳を買って使っている人が多かった」と苦笑する。

 実はデザインにもう一つ大きな変更点がある。

 かつての手帳の表紙には「兵庫県警察」など所属する都道府県警名が記されていたが、現在は無地に。山本次席によると「表紙だけでなく、内側の顔写真や名前を見せてきちんと身分を明かす狙いがある」という。

 ちなみに、刑事ドラマなどの撮影で使われる警察手帳のエンブレム部分には、悪用を防ぐため、「○○県警」ではなく、「警察手帳」と書かれているものが多いそうだ。

2018/2/2

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