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まちある調査団

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他の鉄道会社より天井が低い車両。混雑の印象を強めているとの指摘も=神戸市中央区、ポートライナー三宮駅
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他の鉄道会社より天井が低い車両。混雑の印象を強めているとの指摘も=神戸市中央区、ポートライナー三宮駅
乗降客が行き交う朝の三宮駅。ホームに赤線を引き、降車客の通路を確保している=神戸市中央区、ポートライナー三宮駅
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乗降客が行き交う朝の三宮駅。ホームに赤線を引き、降車客の通路を確保している=神戸市中央区、ポートライナー三宮駅

 「ポートライナーは朝の混雑が激しい」。神戸へ着任して3年、取材先や同僚との会話で、そんな言葉を何度も耳にした。神戸・三宮とポートアイランドを結ぶ唯一の軌道系交通機関。沿線には高校や大学、医療関連企業が次々と進出し、朝のラッシュ時間帯の車両はすし詰め状態だ。それでも、乗車率は神戸市営地下鉄や阪急電鉄を下回るという。なぜ「混雑」の印象が強いのか。

 「リュックサックなどをお持ちのお客さまは、体の前側でお持ちください」

 平日朝、三宮駅で発車を待つ車内にこんな放送が流れる。沿線へ神戸学院大学付属高校と、夙川学院中学・高校が移転した昨春に始まった。

 ポートライナーのラッシュ時間帯の乗車率は、1時間平均で120・7%(2016年4月)。阪急神戸線神崎川-十三駅間の146%(15年度調査)や地下鉄西神・山手線の妙法寺-板宿駅間の133%(同)の数字をいずれも下回る。

 ポートライナーの方が混んでいるように感じるのはなぜか。

 「他の鉄道より天井が低いため、乗客が圧迫感を覚えるのかもしれません」。ポートライナーを運行する神戸新交通(神戸市中央区)の安全管理・調整担当課、長井透課長(48)は推測する。

 同社によると、車両の床から天井までの高さは211センチ。市営地下鉄西神・山手線や阪急電鉄の車両より15センチほど低いという。

 天井の高低差が混雑感につながるのか-。

 「十分に考えられる」とするのは関西学院大学文学部の佐藤暢哉(のぶや)教授(認知神経科学)。「低い天井は視界に入りやすく、混み合っているという感覚に影響する可能性が高い」と指摘する。

 もう一つ混雑感を生む別の要因があるという。

 通勤や通学客の降車順だ。ポートアイランドに入り最初の中公園駅、次のみなとじま駅は高校生や大学生の利用が多く、市民広場駅から通勤客が中心になる。

 「車両の乗降口の近くに生徒や学生がたまり、奥がすいていることもある。社会人の間を縫って降りるのを避けたいのだろう」(長井課長)。乗降口は各車両に1カ所のみで、付近は駆け込んだ人を含め乗客が多くなりやすいという。

 ポートライナーの駅はホームドアがあり、1編成の車両数は増やせない。浜手バイパスの下を通るため、車両の高さの変更も難しい。長井課長は「マナー面での協力を求め、朝でも快適に乗れる車両を目指したい」と話している。

◇増便、乗客誘導で工夫◇

 ポートライナーは2016年3月に新型車両が導入され、午前8時台の三宮発が24本から28本に増便。同年4月の調査で、同時間帯の乗車率は前年同期より10ポイント近く下がった。運行する神戸新交通(神戸市中央区)は、朝の混雑感を緩和しようと車内や駅でさまざまな工夫を凝らす。

 乗車率は13年の139・1%をピークに低下が続く。一方、午前8時台に三宮駅から乗車する乗客は約1万人に上り、最も混雑する車両の乗車率は150%を超える。

 ホームの床には赤や白、緑の線が引かれ、乗客は整然と3列に並び車両の到着を待つ。同交通は「狭いスペースを有効に使い、混雑感を少しでも和らげる狙いがある」と話す。

 神姫バスは16年4月、平日に三宮から神戸学院大学ポートアイランドキャンパスへ向かうバスを30本から60本に増便したが、乗車率は6割程度にとどまっているという。

(田中宏樹)

【鉄道の乗車率】定員数に占める乗客数の割合で、車内の混み具合を示す。車両の幅や天井の高さは算出に影響しない。ポートライナーの1編成(6両)の定員は300人。国土交通省は全国の鉄道会社について、最も混雑する時間帯の1時間平均の乗車率を公開している。首都圏では、朝の乗車率が200%に迫る路線も多い。

2017/1/6

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