東灘話題

六アイ「幻のテーマパーク」跡地を利用へ 神戸市が集客施設事業者を公募

2022/08/01 17:07

 神戸市は、六甲アイランド南端のマリンパークに隣接する市有地2ヘクタールについて、グランピングなどの滞在・体験型レクリエーション施設を建設、運営する民間事業者の公募に乗りだした。対象地は、阪神・淡路大震災で被災してわずか3年半で閉鎖した「幻のテーマパーク」跡地の一部。20年以上更地のままだった場所で再び、にぎわい創出の構想が動き出す。 

 対象地は神戸国際大の東側で、南に沿岸のマリンパークが広がる「東灘区向洋町中9丁目1番の1」の一画。グランピングなどの体験型レクリエーション施設と飲食関連施設を建設、運営することを条件に、10年契約で貸し付ける。

 かつて、この一帯では180億円で12ヘクタールの用地を購入した民間企業が1991年にアミューズメント施設「AOIA(アオイア)」をオープンした。バブル時代の構想を基に50本の大型ウオータースライダーを備えたプールに、遊園地を増設していった。

 94年には年間220万人が訪れ、ホテルの建設計画も浮上するほどの集客力を誇ったが、震災後は広大な敷地が放置され、市が98年に買い戻した経緯がある。これまでに神戸国際大が移転して来た他、新しいマンションも建つなど活用が進む。

 六アイのまちびらき30周年を契機に市が住民アンケートも踏まえて21年にまとめた「六甲アイランドまちの将来の姿」では、ウオーターフロントの眺望を生かしたにぎわい創出を掲げる。マリンパークは来年度以降の改修を控え、これまで禁止されてきた海釣り解禁を視野に今年5月、期間限定で沿岸に釣り専用エリアを設ける実証実験が行われている。

 今回の市有地貸付もその一環で、市都市局新都市管理課は「観光利用だけでなく、島内や近隣住民の方々も気軽に集い、楽しめる場所にする必要がある」と説明。今回の公募地の北側にもまだ空き区画があるため、「需要の掘り起こしを進めながら、よりよい形を模索していく」としている。

 7月25日に実施要領の配布を始めており、9月に申し込みと入札書を受け付け、10月にプレゼンテーションをへて優先交渉権者を決定。本年度内の土地引き渡し後、3年以内の供用開始(一部でも可)を求める。

 公募の詳細は神戸市のホームページ(https://www.city.kobe.lg.jp/a80577/business/recruit/kouyoutyonaka.html)で公開中。神戸市総合コールセンターTEL0570・083330または078・333・3330

(井上太郎)

→「東灘区のページ」(https://www.kobe-np.co.jp/news/higashinada/)

続きを見る

あわせて読みたい

東灘話題

東灘話題 一覧へ

特集