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学生が悩みを打ち明ける甲南大の相談室=神戸市東灘区岡本
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学生が悩みを打ち明ける甲南大の相談室=神戸市東灘区岡本

 感染対策のためオンライン授業に取り組んできた大学では「コロナ後」に不安を抱く学生が少なくない。兵庫県内の大学の相談室には「対面は緊張する。卒業までオンライン授業がいい」「人と関わるのが怖くなった」などの声が寄せられているという。(中島摩子)

 甲南大(神戸市東灘区岡本)の学生相談室専任カウンセラーで文学部教授の高石恭子さん(62)によると、コロナ禍前の相談室の利用は、平均して年間延べ3千件程度だったが、2021年度は約1・5倍の延べ約4790件に増えたという。

 過去2年間は、入学直後にオンライン授業が始まり、訳が分からず途方に暮れ、友人関係も築けない-などの声が目立った。

 対面授業が再開されるにつれ、別の苦しみが寄せられるようになった。「人の多さやザワザワした音に緊張する」「対面でのゼミの前は眠れない」-などだ。「1人で食事を取る『ぼっち飯』を見られるのが嫌」の声もあった。

 「彼らにとってリアルに人と会うのは傷つく恐れがあること」と高石さん。以前はコミュニケーションが苦手でも在学中に克服する学生が少なくなかったが、コロナ禍で乗り越える機会が失われたとみる。

 悩む学生には「必要な助けを求めるのは甘えじゃない」「マスクをどうするかにしても、自分が安心できるよう、自分の判断を大切に」と説いている高石さん。対面とオンラインの併用などを学生と一緒に考え、「コロナ禍前と同じに戻るのではなく、一人一人が生きやすい社会をつくるチャンスと捉えたい」と話す。

 関西学院大(西宮市)の学生支援相談室にも「外に出られない」「対面授業はしんどい」などの声が寄せられているといい「2年間の外出自粛の余波がきつい形で出ている」と担当者。県内の別の大学でも「前は1人が恥ずかしくなかったが、学生数人が集まっているのを見るようになり、『やっぱり自分は1人なのか…』と孤独を感じる」「教室に入りにくい」などの相談があるという。

 神戸新聞NEXTに「生きるのヘタ会?」の特設コーナー(https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/ikiheta/)があり、直接投稿できます。「コロナ後の生きづらさ」について、あなたの声をお寄せください。

→「東灘区のページ」(https://www.kobe-np.co.jp/news/higashinada/)

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