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小磯良平が原画を描いたという貴重なステンドグラスが残る頌栄短大のチャペル=神戸市東灘区御影山手1
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小磯良平が原画を描いたという貴重なステンドグラスが残る頌栄短大のチャペル=神戸市東灘区御影山手1
校名変更の背景について語る頌栄短大の柳本有二学長=神戸市東灘区御影山手1
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校名変更の背景について語る頌栄短大の柳本有二学長=神戸市東灘区御影山手1
小磯良平が原画を描いたという貴重なステンドグラスが残る頌栄短大のチャペル=神戸市東灘区御影山手1
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小磯良平が原画を描いたという貴重なステンドグラスが残る頌栄短大のチャペル=神戸市東灘区御影山手1

 来春から「神戸頌栄短大」に改称する方針を固めた頌栄短大(神戸市東灘区御影山手1)。国内屈指の伝統校ながら入学者数が低迷する現状に、柳本有二学長は「かつては『東のお茶の水、西の頌栄』と呼ばれた。頌栄なくして日本の保育はないという自負もある。保育の発展の歴史から体系的に学べるこの場所を、未来につないでいきたい」と思いを語る。(聞き手・井上太郎) 

 -校名変更の背景は

 「保育士を志望する学生が減った上、4年制大学志向も強まってきた。その中で健闘はしている方だが、入学者減少を食い止め、学校を存続させていくための発信を強化する必要がある」

 -「神戸」を冠することにした理由は

 「頌栄がどこにある学校かということが、残念ながら知られていないのが実情だ。東日本大震災の復興ボランティアで被災地を訪ねた学生は『頌栄ってどこにあるの?』と聞かれた。東京にも『頌栄女子学院中学・高校』があり、混同、勘違いされることもある。神戸にあるということを明確に打ち出したい」

 -「頌栄」の由来は

 「創設者のアニー・L・ハウはキリスト教の婦人宣教師だった。英語で言う『グローリー』で、栄光と訳されることも多いが、賛美歌では『頌栄』と訳されている」

 「保育イコール家庭というのがまだ常識だった時代、ハウは家庭外保育と幼児教育の理念、意義、ノウハウを日本に根付かせた。日本の保育は神戸から広まったと言っても過言ではない」

 -共働き世帯が増えて保育の需要は高まる一方で、保育士の志望者が減っている

 「少子化で高校生の数自体が減っているのに加え、保育士の待遇の問題も大きいと感じる。改善が急務だ。そして、声を大にして言いたいのが『保育士はエリートで、今後もそうあり続けてほしい』ということ。音楽ができ、絵画や創作ができ、それらを生かして工夫して、未来の社会を担っていく子どもたちの心を育む仕事だ」

 -保育系の大学、短大を取り巻く状況は

 「かつて保育者養成校の主流は短大だったが、4年制大学に組み込まれたり閉校したりした結果、校数でみると1993年には4年制大学の方が多くなった。一方で、学生数でみると今もわずかだが短大の方が上回っている。四大志向が強い時代でも、それぞれの特色をしっかり打ち出していけば生き残りは可能だ」

 「頌栄の最大の特徴は専攻科の存在。専攻科は2年制の保育科を修了後、より専門性を高めたい場合に選択でき、さらに2年かけて実践と研究を積むことができる。大学卒業と同等の資格である学士と幼稚園教諭一種免許状が取得でき、進路の幅が広がる」

 「頌栄はこれまで9千人もの保育者を輩出してきた。伝統、蓄積をさらに磨きながら、頌栄の名を全国に発信していきたい」

     ◇

 頌栄短大は11日にオープンキャンパスを開催。パイプオルガン演奏や在校生との交流、柳本学長のミニ授業がある。午前10時からと午後1時半からの2部制。申し込みは専用フォーム(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfzNpxdVnROkTYGjthrCQ7x7OYzqQtpjWbvcNlKIDeTUeQnmA/viewform)から。頌栄短大TEL078・842・2543

→「東灘区のページ」(https://www.kobe-np.co.jp/news/higashinada/)

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