旦旦的廿年(タンタンの20年)
タンタンファンから、あるうわさを聞いた。
「パンダ舎にはDJ警備員がいる」
「DJ○○」と言えば、軽妙な語り口で雑踏警備をこなした警察官「DJポリス」が有名だが、動物園にDJ? 会いに行った。
パンダ舎の室内展示場。
「もうすぐ食事が始まりますよ」「食べたら喉が渇きます。次は水が飲みたくなるんです」
静かな口調だが、他の警備員に比べると圧倒的に口数が多い。間違いない、この人だ。
正体は、警備員歴3年5カ月の沢田純一さん。意外にキャリアは浅いが、タンタンの動きを的確に予告し、どこに注目すればいいかを伝えてくれる。
きっかけは折り込みチラシだった。警備会社の求人案内に「パンダの警備ができる」と書いてあった。
「動物好きの私には天職だ」。すぐに応募した。
パンダ舎専門警備員としてタンタンを見つめるうち、かわいさに魅了された。
「竹を本当に幸せそうに食べる。一瞬の表情を見逃さないでほしい」。それが「DJ警備員」の始まりだ。市内の百貨店で40年間勤め、婦人服売り場のバーゲンセールで鍛えた話術が生かされた。
新型コロナが広がる前は拡声器を使い、大声で動きを伝えていたが、今は生声で控えめ。その代わり、新たなアイデアがわいた。
日課のガラス拭き。1日数度、クリーナー剤でこう記す。「ありがとう タンタン」
すると、インスタ映えを狙う観客の人だかりが…。あふれ出るタンタン愛だった。(谷川直生)
2020/8/6-
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