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旦旦的廿年(タンタンの20年)

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パンダ団子をほおばるタンタン=神戸市立王子動物園提供
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パンダ団子をほおばるタンタン=神戸市立王子動物園提供

 「パンダ団子が数年ぶりに復活!」。王子動物園新聞、でもあれば堂々と1面を飾ったであろうニュースを控えめにお伝えします。

 4月末に心臓疾患が判明したタンタン。以来、錠剤の強心薬、血管拡張薬、利尿薬の投薬が続いている。薬を味見した獣医師の谷口祥介さん(39)評は「シンプルに苦い」。

 リンゴやブドウに埋め込んでみてもタンタンは数日で察知し、果実ごと口からぽろっと、はき出すようになった。用心深いなぁ。

 ならば-リンゴとブドウをミキサーにかけ、砕いた薬と混ぜて凍らす。あるいは-サトウキビのかけらで錠剤を挟んで凍らす。

 愛ゆえの「欺きメニュー」を作れば1、2週間は食べてくれた。

 そして-。5月に復活したのが「パンダ団子」だった。

 竹の粉、米粉、トウモロコシ粉、卵などを混ぜて蒸したメニューで、中国ではパンダの栄養補給に重宝されるらしい。

 同園でもタンタンの来日時に中国人スタッフから教わったレシピをベースに作って与えてきたが、数年前からは手間のかからないペレットで代用していた。

 だが、心臓疾患の発覚後はペレットをあまり食べなくなったため、再び団子に白羽の矢が立ったというわけだ。薬を混ぜてもぺろっと平らげたから、晴れて投薬用に「ローテーション入り」した。

 夏になると薬を混ぜた「サトウキビジュース」も採用。「できる限りメニューを増やして、タンタンの目(味覚か?)をごまかしていきたい」。谷口さんたちの格闘は続く。(井上太郎)

2021/9/15
 

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