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旦旦的廿年(タンタンの20年)

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心電図検査のため、体毛をそったタンタン=神戸市立王子動物園
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心電図検査のため、体毛をそったタンタン=神戸市立王子動物園

 タンタンに心臓疾患の疑いありと4月19日、王子動物園が発表した。精密検査の結果、30日には「不整脈になっている」との追加発表が。

 「大丈夫かな…」。この前見たときは、暑さでバテていたけれど、好物のタケをおいしそうに食べていたのに。

 「高齢に伴う病気です。今のところ目立って苦しんでいる様子はないですよ」と獣医師の谷口祥介さん(38)。ジャイアントパンダは21歳以上で高齢とされる。25歳のタンタンは人間でいえば70代ぐらい。「とはいえ、いつ悪化するかは分からないので、しっかり経過を観察しています」。気は抜けない。

 睡眠時間が通常より3~5時間増えた。運動量が減り、食欲も以前よりないという。心臓疾患は1月下旬の定期検診で不整脈が判明。現在、注射のほかに、餌にも薬を混ぜている。薬は血液の巡りが悪くならないように血管拡張剤を使用。大阪府立大や中国の専門家からアドバイスを受けて治療している。

 気になるのは中国への帰国だ。担当者は「中国との具体的な話はまだできていない」とのこと。

 「どの動物でも長距離輸送は体に大きな負担がかかる。コロナの状況も踏まえて協議しています」と谷口さん。

 中国・成都への直行便は、新型コロナの影響で欠航中だが、少なくとも5時間はかかるという。

 ジャイアントパンダの心臓疾患は、2008年に上野動物園のリンリンが慢性心不全で亡くなった例がある。完治は難しいが、今は問題なく過ごしているという。

 「健康が最優先。見守っていただけたらうれしい」と谷口さん。

 タンタンには神戸で21年間、一緒に歩んできた頼りになるチームがついている。(坂井萌香)

2021/5/7
 

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