旦旦的廿年(タンタンの20年)
問題。国内最高齢のジャイアントパンダは?
答えは「タンタン」だ。
2月、アドベンチャーワールド(和歌山県)で飼育されていたパンダの雄「永明(エイメイ)」と子2頭が中国に返還された。永明は1992年9月生まれの30歳。国内最高齢のパンダとして長く親しまれた。
繁殖実績はすさまじく、16頭の父でもある。2020年に末娘の「楓浜(フウヒン)」が誕生し、飼育下で自然繁殖した世界最高齢の雄パンダの異名もとった。
そんな永明に代わって国内最高齢になったのが、27歳のタンタンだ。飼育員に思いを聞いてみた。
「僕たちのやることは変わらない。一日一日をしっかり過ごせるように、いつも通りにやるだけ」。飼育員の吉田憲一さん(54)と梅元良次さん(40)はあくまでも「普段通り」を強調する。
「でも、『最高齢』を意識したことはある」と吉田さんは言う。
タンタンは繁殖研究の名目で来日したが、近年のテーマは「高齢パンダの飼育」だった。飼育員としても年齢を重ねることに並々ならぬ思いを持っていたに違いない。
心臓病が見つかってからは治療に重点が置かれているが、体調はずっと安定している。食欲も戻り、竹もリンゴもニンジンもよく食べる。
2人は「本当に生命力がある」とタンタンをほめてから、口をそろえた。
「永明さんはパンダ界のレジェンド。超えられるかどうかではなく、うちの子にも元気な日常を重ねてもらうのが一番です」(谷川直生)
2023/4/7-
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