旦旦的廿年(タンタンの20年)
2月11日、王子動物園の公式ツイッターに動画と一緒に投稿されたこの短いツイートに、1万件以上の「いいね」がついた。動画には屋外のやぐらでいつものように眠るタンタンが映っている。
何が〈ついに〉かというと--。
ある事情で、やぐらに上がるための階段を新調したのだが、しばらくタンタンの知らんぷりが続いていた。そして設置から約1カ月半、初めて階段を上ったのだ。
普段でも100件以上のコメントを集めるタンタン。この投稿には約450件ものお祝いメッセージが寄せられた。祝福を受けたのは、2人の飼育員だった。
昨年12月7日、久々にやぐらに上がったタンタン。その時、飼育員の目には以前より上がりにくそうにしているように見えた。27歳。寄る年波には勝てない。
「タンタンファースト」を貫く飼育員の行動は早かった。4段だった階段を6段にして傾斜を緩めた。万が一にも転んでしまった時のため、木材の角には丸みを持たせる徹底ぶりだ。
「上手に上れるかな」「気に入ってくれるといいな」。そんな思いとともにクリスマスの日、プレゼント代わりに設置した。
だが、その日は見向きもせず。
年が明けた1月11日。近くに行くようになったが触らず。
同18日。すぐそばで寝る。
飼育員が経過をその都度投稿し、ファンはその日を待ちわびていたのだ。
その瞬間を見守っていた飼育員の吉田憲一さん(54)は「良かった良かった」と一安心。
梅元良次さん(40)は上がる瞬間は見逃したが「やっと使ってくれたことがうれしい」。
さて、親心豊かな2人は「下りは大丈夫かな」と心配したそうだが、簡単に下りられたようだ。
2023/3/6-
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