旦旦的廿年(タンタンの20年)
一足早いクリスマスプレゼントが届いた。そんな気持ちにさせてくれる吉報である。
タンタンの観覧が14日、およそ3週間ぶりに再開された。時間が不規則になっていたトレーニング室での診察や治療が、朝夕に安定してできるようになったのが理由という。
引き続きタンタンの体調管理に万全を期すため、観覧時間は午前11時~午後1時に短縮する。さらに、タンタンが寝室にこもっても、そっとしておく代わりに、観覧通路には寝室の様子を映し出すモニターを新たに設けた。
22日間に及んだ異例の観覧中止。その間、変わらずタンタンのそばにいた飼育員の吉田憲一さん(53)は、あることに気付いた。
「昼夜逆転したんかなあ」
休み中、タンタンに変化があった。最近ほとんど手をつけなかった竹を再び食べるようになったことだ。それもなぜか、だいたい決まって夜中に30分ほど。のそのそと歩き回り、どちらかというと活発なのもやはり、夜中らしい。
昼間はというと「うーん。だいたいずっと寝てるなあ」と吉田さん。ジャイアントパンダは夜行性ではない。まあ、昼行性というわけでもないのだが。首をかしげつつ、おおらかな性格の吉田さんは追及の手を緩める。「夜中でも、たくさん食べてくれたほうがいいからな」
食っちゃ寝食っちゃ寝が基本のパンダは1日に4、5時間は竹を食べている。タンタンも食欲が戻るのに越したことはない。
「神戸のお嬢さま」の異名を持つアイドルの品位に関わるとか、関わらないとか、そんな論争は巻き起こりそうにない。タンタンの夜更かしを、みんな温かく見守っている。(井上太郎)
2021/12/22-
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