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旦旦的廿年(タンタンの20年)

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タンタンのえさの竹を運ぶ岩野憲夫さん(左)ら=神戸市北区淡河町神影(撮影・後藤亮平)
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タンタンのえさの竹を運ぶ岩野憲夫さん(左)ら=神戸市北区淡河町神影(撮影・後藤亮平)

 食事の時間は1日に6回。目の前に主食の竹を置かれると、本当においしそうによく食べる。

 でも、竹なら何でも食べるわけではない。

 様子を見ていると、つかんだ竹を鼻の前に運び、一度香りを確かめる。ほとんどはそのまま食べるが、気に入らないのは、ぽいっと捨ててしまう。

 飼育員の梅元良次さん(38)によると、タンタンが捨てた竹をパートナーのコウコウが食べることもよくあったとか。

 これが、「グルメ」と呼ばれる理由だ。

 そんなタンタンの胃袋を満たし続けてきたのが、神戸市北区淡河町で収穫される竹。農家らでつくる「淡河町自治協議会笹部会」の3人が週に3度、交代で鮮度のいい竹を届けてきた。

 3人の中で唯一、来園当初から運び続ける岩野憲夫さん(73)。「前に届けた竹が枝だけになっていた時はうれしかったなぁ」と目元にしわを浮かべた。

 「若い竹より、数年育った竹がいい」。20年間で好みは把握した。

 それでもタンタンのグルメっぷりが上回ることは多かった。好みは体調や季節によっても変わる。常にいい竹を探し続けるうち、旅行先でも竹を見つけると葉や幹の状態を見定めるのが癖になった。

 来園時4歳だったタンタンは間もなく25歳。

 「いつまでたっても子どものような存在。帰ってしまっても、竹を見上げるのはやめられそうにない」

 岩野さんはそう言った。(谷川直生)

2020/9/4

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