旦旦的廿年(タンタンの20年)
どんな味がするのだろう?
いつもおいしそうに竹を食べるタンタンを見るうちに、素朴な疑問が湧いた。
初夏。餌の竹を収穫している神戸市北区淡河町の岩野憲夫さん(73)、辻井正さん(76)、西浦常次さん(71)の元を訪れた。
辺り一面に広がる竹林。タンタンがこの光景を見たらよだれを垂らすかも、と想像が膨らむ。
現在、この場所で収穫され、餌として届けられている竹は4種。3人に許可をもらい、新鮮な竹の葉を食べ比べてみた。
まず、タンタンが年間を通してよく食べるという孟宗竹(もうそうちく)から。
葉は薄い。口に含み、奥歯でじっくりかむ。次第にほんのりと甘みが広がった。
次に、食べ残すことが多いという淡竹(はちく)。
孟宗竹より葉は薄いが繊維がしっかりとしており、とにかくかみ切れない。その上、かめばかむほど口いっぱいに苦味が…。
4種の中で唯一ササに分類される矢竹(やだけ)は、ほとんど味がなかった。ざらざらとした繊維感だけが舌に残り、1枚を食べきるのは苦行だ。
一番食べやすかったのは女竹(めだけ)。一口かむ。じわっと甘みが出た。やや大味だが、かみ応えは孟宗竹と似ている。ぺろりと食べきることができた。
とは言え、おいしいものではない、というのが率直な感想。当たり前だがパンダとは好みが違うようだ。
その日の夜、喉には繊維がつっかえるような違和感が残った。
まねはおすすめしません。(谷川直生)
2020/9/9-
(37)マイ竹林 好物のタケノコ園内栽培
-
(36)最高齢 「普段通り」の飼育大切に
-
(35)ついに… 歩幅に合わせ、手作り階段
-
(34)寝正月 寝台の上でのんびり
-
(33)ようこそ神戸へ【下】名前公募、最多は「短短」だった
-
(32)ようこそ神戸へ【中】3組のペアから自分たちで選ぶ
-
(31)ようこそ神戸へ【上】「震災復興にパンダを」市が誘致
-
(30)国内のメスで最高齢 今秋27歳、人間なら80代
-
(29)パンダの骨格 ARアプリで観察体験
-
(28)今年もよろしく 契約延長で穏やかな1年に
-
(27)昼夜逆転? 観覧再開も夜更かしに
-
(26)圧タン 飼育員に「リンゴちょうだい」
-
(25)有給休暇 体調万全の観覧再開期待
-
(24)続・パンダ団子 保存しやすい「四角」に
-
(23)入る入る詐欺 体調回復し、悪知恵発揮
-
(22)パンダ団子 投薬治療で数年ぶり復活
-
(21)13年前の出産(下) 母性の強さ行動で示す
-
(20)13年前の出産(中) 雄のコウコウも死ぬ
-
(19)13年前の出産(上) 3日後に死んだ赤ちゃん
-
(18)心臓疾患 帰国の時期、不透明に
-
(17)飼育員の思い 自然な動き活用し健診
-
(16)健診訓練 失敗すれば頭抱え悩む
-
(15)腹時計 1日6回正確に反応
-
(14)公式ツイッター 人気画像は飾らない表情
-
(13)初対面 パンダ記者になります