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旦旦的廿年(タンタンの20年)

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前日のタンタンの行動を確認し、ノートに記録する梅元良次さん=神戸市立王子動物園(撮影・後藤亮平)
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前日のタンタンの行動を確認し、ノートに記録する梅元良次さん=神戸市立王子動物園(撮影・後藤亮平)

 タンタンに関する38本の論文のうち、世界中のジャイアントパンダ研究者たちを「素晴らしい」とうならせた研究がある。

 王子動物園は、中国からパンダが来園した2000年7月以降、24時間態勢で行動の記録を続けている。

 その方法はシンプルだ。屋外と屋内の展示場に設置された計14個のカメラで、タンタンの行動を常時撮影。録画映像を見返し、1日の動きを「食事」「睡眠」「運動」に分類する。

 展示場でタンタンがのんびり過ごす間、バックヤードでは飼育員の梅元良次さん(38)がモニターに向き合っていた。

 映っているのは前日の午前5時から24時間分のタンタンの姿。

 「しっかり食べとるな」「おぉ、今日は早起きや」。画面を見ながら言葉が漏れる。わが子を見守る父親のようだ。

 ゆっくり眠る夜間は早送り。寝相の悪いタンタンは画面から消えてしまうことも。

 カメラを切り替えながら、20~30分ほどで1日分の映像を見終える。ノートには食事や運動に費やした時間を細かく記す。

 もう1人の飼育員、吉田憲一さん(51)と交代で、毎日これを繰り返す。歴代飼育員の分も合わせると、データの蓄積は20年分にもなる。同園はこのデータを繁殖活動にも役立てている。

 18年、中国・成都で開かれた「ジャイアントパンダ保護国際会議」で、同園の代表者が取り組みを報告した。

 スピーチ後、スタンディングオベーションになった…かどうかは知らないが、1頭のパンダに対する綿密な観察と蓄積された膨大な記録に世界の研究者たちから称賛の声が上がった。(谷川直生)

2020/8/12

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