旦旦的廿年(タンタンの20年)
2021年が明けました。コロナ禍の結果、まさかの“神戸越年”を果たしたタンタン。会える喜びをかみしめながら、今年も報告を続けます。
◆
午前10時前。タンタンがパンダ舎の扉の前に座っている。みんなに丸い背中を向けたまま…。
何をしてるんだろう? 「あれはごはんを待ってるんですよ」と広報担当の栗山聡史さん(37)が教えてくれた。
タンタンの腹時計はものすごく正確らしい。食事は1日6回。時間が近づくと、早く食べたくて扉の前にやって来るのだ。
外から中へ移動するとき、お客さんには見せない「秘密の通路」がパンダ舎にはあるらしい。
見せてください! とお願いすると飼育員の吉田憲一さん(52)が案内してくれた。
通路には鉄製の頑丈な部屋がいくつも並んでいた。食事の前、タンタンはまず「寝室」に入る。その間に、飼育員が別の場所にササやタケノコを用意するという。
「いつもかわいいタンタンですが、クマ科の大型動物なんで、用心は欠かせません」
おりの向こうで「ごはん、まだかな」と大きな目をきょろきょろさせるタンタン。やっぱり、かわいい…と勝手に癒やされていると、鉄格子からタンタンの鋭い爪が。
想像よりずっと長い。木登りをするとき、重い体を支えるのに必要なのかも。やっぱり野生動物。「怖っ」っと思ったことを告白します。
ところで、「寝室」はあれど、タンタンの寝る場所は決まっていないらしい。
最近のお気に入りは屋内展示場の大きなタイヤの中。ここでササに囲まれながらすやすや寝ている姿が24時間カメラに記録されていた。
普段見られないパンダ舎の秘密はまだまだありそう。次回は、タンタンの知られざるトレーニングを紹介します。(坂井萌香)
2021/1/9-
(37)マイ竹林 好物のタケノコ園内栽培
-
(36)最高齢 「普段通り」の飼育大切に
-
(35)ついに… 歩幅に合わせ、手作り階段
-
(34)寝正月 寝台の上でのんびり
-
(33)ようこそ神戸へ【下】名前公募、最多は「短短」だった
-
(32)ようこそ神戸へ【中】3組のペアから自分たちで選ぶ
-
(31)ようこそ神戸へ【上】「震災復興にパンダを」市が誘致
-
(30)国内のメスで最高齢 今秋27歳、人間なら80代
-
(29)パンダの骨格 ARアプリで観察体験
-
(28)今年もよろしく 契約延長で穏やかな1年に
-
(27)昼夜逆転? 観覧再開も夜更かしに
-
(26)圧タン 飼育員に「リンゴちょうだい」
-
(25)有給休暇 体調万全の観覧再開期待
-
(24)続・パンダ団子 保存しやすい「四角」に
-
(23)入る入る詐欺 体調回復し、悪知恵発揮
-
(22)パンダ団子 投薬治療で数年ぶり復活
-
(21)13年前の出産(下) 母性の強さ行動で示す
-
(20)13年前の出産(中) 雄のコウコウも死ぬ
-
(19)13年前の出産(上) 3日後に死んだ赤ちゃん
-
(18)心臓疾患 帰国の時期、不透明に
-
(17)飼育員の思い 自然な動き活用し健診
-
(16)健診訓練 失敗すれば頭抱え悩む
-
(15)腹時計 1日6回正確に反応
-
(14)公式ツイッター 人気画像は飾らない表情
-
(13)初対面 パンダ記者になります