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スクープラボ

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営業時間の拡大を知らせるマックスバリュの張り紙=姫路市岩端町
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営業時間の拡大を知らせるマックスバリュの張り紙=姫路市岩端町

 今春、24時間営業を中止するなどほぼ全店で営業時間を短縮したイオン傘下の食品スーパー、マックスバリュ西日本(広島市)が、一転して9割を超える店舗で営業時間の拡大を進めている。短縮したことで想定以上に売り上げが減少。時給減を嫌ったパート従業員の退職が増えたことなどもあり、方針転換した。(三島大一郎)

 人手不足や働き方改革の観点から小売りや飲食業界で進む営業時間の短縮は、従業員の配置転換などを伴うほか、顧客離れのリスクもはらみ、経営に大きな影響を与えることが浮き彫りになった。

 一方、神戸新聞の双方型報道「スクープラボ」には、1年もたたないうちの見直しに従業員から「振り回された」と困惑する声も寄せられた。

 同社は現在、兵庫と中四国地方で計142店舗(兵庫は79店舗)を展開している。今年3月、営業時間を短縮し、売り場にいる従業員の数を増やしてサービスを向上しようと、兵庫県内15店舗を含む計25店舗で24時間営業を中止した。さらに、その他の店舗も含め開店時間を午前7時から同9時に、閉店を1~2時間早めて午後10時とした。

 ところが、時短後の売上高が前年比で1割近く減少。夕方から夜にかけて充実させる予定だった総菜商品が、閉店時間を早めたことで製造量が減り、逆に品薄になったことも一因とみている。午後10時以降の深夜時間帯から日中の時間帯などに勤務が変わって給与が減ったり、慣れない仕事に回されたりしたパート従業員の退職が相次いだ。

 客からも営業時間の拡大を望む声が多かったといい、同社は、再度の見直しを決断。9割以上の店舗(兵庫は74店舗)で順次、おおむね午前8時~午後11時の営業に変更しているという。24時間営業に戻す店舗はない。

 「(営業時間短縮は)失敗だった」と同社。「消費者の買い物の時間を簡単に動かせないことがよく分かった。効率的な店舗運営をするための業務のIT化や売り場の改善、社員教育などの準備も不足していた」とする。

【流通科学大商学部の白貞壬教授の話】働き方改革に加え、消費者ニーズの変化もあり、小売店では24時間営業の禁止や営業時間短縮の動きは今後も続くだろう。ただ、早朝や深夜に訪れる客はその時間にしか来られない理由があるとみられ、営業時間の変更は顧客離れのリスクをはらんでいる。問題は売り上げの減少分をどうカバーするかだ。日中の客単価を上げる売り場の改革や、顧客の滞在時間を延ばす新サービスの導入などが欠かせない。業界の競争は激しく、ライバルとの差別化を一層図らなければならない。

2019/12/19

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