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スクープラボ

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政令市の中で最も本数が多いとされる神戸の街路樹。定期的に剪定作業が行われている
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政令市の中で最も本数が多いとされる神戸の街路樹。定期的に剪定作業が行われている
政令市の中で最も本数が多いとされる神戸の街路樹。定期的に剪定作業が行われている=神戸市中央区
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政令市の中で最も本数が多いとされる神戸の街路樹。定期的に剪定作業が行われている=神戸市中央区
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 「街路樹は必要ですか?」。神戸市西区の男性(60)から、神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に一つの疑問が寄せられた。郊外にある自宅近くでは枝が電線にかかり、毎年のように業者が剪定(せんてい)。秋には実が路上に落ち、踏まれて周辺を汚すという。男性は手間の掛からない木への植え替えを提案しつつ、「そもそも緑に囲まれた地域に街路樹は必要なのか」と問う。市内の街路樹を管理する市公園部整備課に取材した。(初鹿野俊)

 同課によると、神戸の街路樹の歴史は古い。遅くとも明治10年代には居留地で外国人がヤナギなどを植えていた。欧米では一般的だったが、当時の日本では珍しかったという。

 高度経済成長期に入り、各地で多くの緑が失われると、神戸市は市民の健康を守る観点から緑化を推進。1971(昭和46)年には市域全体の7割、市街地では3割緑化を目指す「グリーンコウベ作戦」を始めた。歩道や公園に植樹を重ね、71年に約1万7千本だった街路樹(高木)は約13万本にまで増加。人口100人当たりの本数では、主な政令市でトップとなった。

 これに対し、投稿者の男性は自宅近くの状況から「しょっちゅう剪定をやっていて無駄に感じる」と話す。同課の担当者によると、剪定は原則3年に1度の周期とし、回数が少なくて済む木や実が付かない木を増やしているという。

 ただ、もう一つの疑問が残る。山や田んぼに囲まれた地域でも街路樹が必要なのか。市は2017年度、新たな街路樹再整備方針を打ち出し「周辺に永続的な緑があり、景観向上や環境保全の効果が薄い場合は間伐、撤去する」と決めた。

 市は現在、方針に基づき、大木・老木の撤去や周辺環境に応じた適正管理に取り組む。担当者は「街並みを美しくし、二酸化炭素の吸収など環境保全の効果が期待できる」と街路樹の意義を強調しつつ「道路の特性や管理コストの削減も見据え、(間伐、撤去などの)対応を進める」とする。

 ちなみに、他都市はどうだろうか。姫路市でも大木化して周辺に影響を及ぼすケースが相次ぎ、本数を減らす方針という。大阪市も2020年度までの3年間で、約9千本を撤去もしくは緩やかに成長する木に更新するとしている。

 一方、京都市は数年前まで、山に囲まれた地域にも積極的に植樹。ただ、基準を満たす歩道など植栽可能な場所がなくなったため、「新たな植栽は一時休止しています」(同市みどり政策推進室)という。

 投稿者の男性は「神戸市が問題意識を持っているのであれば安心」と納得の様子。その上で「歴史もあって樹木数も多く、全国に誇れるのに知られていない。もっと市民が誇りに感じられるようにしてほしい」と注文を付けた。

     ◇     

 神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」を始めました。身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。LINEで友だち登録(無料)した後に投稿できます。皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。ご参加をお待ちしています。

2021/1/5
 

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