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スクープラボ

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大学内で行われた代替授業で、患者役の教員(左)の移動をサポートする学生(兵庫大学提供)
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大学内で行われた代替授業で、患者役の教員(左)の移動をサポートする学生(兵庫大学提供)

 新型コロナウイルスの影響でこの1年間、看護師を目指す学生の実習機会が大幅に制限された。感染拡大を受け、病院や施設で十分な実習が行えなかった学校は多く、学内やオンラインでの代替授業などで対応した。神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」には、娘も看護学生という看護師の女性(48)=兵庫県播磨地域在住=から「実習ができないまま現場に出て、患者に寄り添った看護ができるか不安」との声が寄せられた。(小尾絵生)

 女性には看護系学部に通う大学4年の娘がいる。3年生だった2020年度は本来、昨年6~12月に老年や小児、精神などの7領域で計16週間の実習があるはずだった。しかし実際に学外の施設に行けたのは計10日間ほど。それも20分程度だったり、カルテを見ての勉強だったりと、直接患者らと接する機会はわずかだったという。

 女性は「苦痛を抱える患者さんを目の前にして、自分の力不足を痛感したり、看護計画を練り直したりするのが実習。経験を積まないまま医療現場に出て、現場の負担にならなければいいが」と心配する。

 兵庫県加古川市の兵庫大学看護学部では例年、3年時の9~2月に実習が集中するが、昨年12月以降は全面中止となった。代替措置として学内やオンラインでの授業を実施。仮想患者に対する看護計画を練ったほか、教員が患者役を演じ、血圧の測定や移動支援の実技などを行った。実習担当の白神佐知子教授は「学内授業では知識を深める面では効果を感じたが、変化する状況への即応力など実習でしか養えない部分を補うのは難しい」と話す。

 神戸市看護大学(同市西区)でも不足分を代替授業などで対応。学生からは実習不足を不安視する声がある一方、「納得感を持って課題に取り組めた」との感想も聞かれたという。

 同大学では21年度から実習期間中に学内授業を組み込む方向で検討。池田清子教授は「コントロールの利かない実習現場と、じっくり考える学内学習を併用することで質が高まる」と期待する。

 実習が満足にできなかった状況を受け、兵庫県看護協会(神戸市中央区)は対策として、新人看護師が就職する病院などの教育担当者らと情報を共有している。成田康子会長は「例年より時間をかけ、手厚く新人を育てる準備をしている」とする。

 スクープラボに意見を寄せた母親は「学生が安心して実習に行ける態勢が整うのが一番望ましい」と注文した。

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2021/4/6
 

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