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飲食店への休業や時短要請で、閑散とする繁華街=5月末、神戸市中央区(撮影・吉田敦史)
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飲食店への休業や時短要請で、閑散とする繁華街=5月末、神戸市中央区(撮影・吉田敦史)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が再延長され、飲食店への休業・時短要請が続く中、苦境にあえぐ店主らに、協力金の支給遅れが追い打ちをかけている。3月末までの協力金について、兵庫県は約9割に支給したとするが、中には申請から3カ月以上かかった人も。店主らは「協力金はありがたいが、すぐに支給されなければ店も生活も維持できない」と訴える。(石沢菜々子)

 神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に、神戸市内の飲食店店主から「協力金の支給が遅い」との声が相次いで寄せられた。

 神戸市内でお好み焼き店を営む50代男性は、1月12日から約1カ月にわたった時短営業の協力金を5月中旬になって受け取った。申請したのは、県が受け付けを始めた2月初旬。書類の不備などの指摘もなく、「遅れた理由が分からない。支給のめどが分からないと借金もできない」と憤る。

 今回の宣言では酒を提供できず、時短営業の売り上げは通常の2割程度。家賃や光熱費などの固定費や仕入れの支払いに追われ、子どもたちの学費もかかる。コロナで収入が減少した世帯などに市が生活費を貸し出す制度を上限まで利用したが、生活を切り詰めても不足は補えず、親戚や友人からも借金を重ねた。

 時短要請の延長で、再び生活費の工面に直面する男性は「このままでは店をつぶさないといけないかもしれない」と声を落とす。一方で最近、店には「お酒は飲めますか」と尋ねる電話が連日かかってくる。「罰金を払ってでも、店を開けた方がよっぽど生活が楽になる。必死に耐えながら協力しているのに理不尽だ」

 神戸市兵庫区で焼き鳥店を経営する男性(40)は申請から約2カ月後に支給を受けたが、「日々の仕入れに加えてコロナ対策の備品の購入もあり、手持ちの現金が必要。店を維持するには支給が遅すぎる」と制度設計に疑問を投げかける。

 当初は弁当販売に力を入れたが、一人で全てをこなすのは限界だった。今は、常連客の予約にのみ、コース料理で対応する。店のこだわりである地鶏は原価が高く、酒の提供なしではほとんど利益が出ない。男性は「店を応援してくれるお客さんをつなぎとめるために踏ん張っている」と話す。

    ◇

 3月末までの協力金支給について、兵庫県経営商業課は「当初は事務の混乱があったが、マニュアルを作成して対応した。書類不備があったり、現地確認が必要だったりした場合は、審査が長引く」と説明する。

 6月に入り、4月以降に休業や営業時短に応じた飲食店などへの協力金申請が本格化。対象の業種が広がる上、地域によって協力金の単価が異なることなどから、「これまでよりも審査に時間がかかる」(同課)という。

 一方、県には「時短要請などに応じていない店がある」との通報も寄せられている。同課は「協力金を申請している店舗の情報があれば、事実確認をした上で支給の判断をしている」としている。

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2021/6/5
 

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