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神戸市会政活費不透明支出

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自民党神戸の政活費をめぐる調査委託の流れ
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自民党神戸の政活費をめぐる調査委託の流れ
政務活動費を使った調査委託が「架空」だったことが報告された市議会代表者会議=7月29日、神戸市役所
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政務活動費を使った調査委託が「架空」だったことが報告された市議会代表者会議=7月29日、神戸市役所

 神戸市議会の会派「自民党神戸」による政務活動費(政活費)の不透明支出問題は、調査委託の窓口だった大野一市議(62)=現在は無所属=側と、委託先だった業者側の双方が、委託自体を「架空」と認める異例の展開となった。架空の支出は現段階の判明分だけで1千万円超。疑惑発覚から1カ月が過ぎ、架空委託を見逃してきた会派の責任を問う声が議会内外で強まる一方、多額の公金の使途解明にも厳しい視線が注がれる。(紺野大樹、小川 晶)

 「政活費は会派に支給されるのに、本当に会派の誰も気づかなかったのか。信じられない」。神戸市議会の複数の市議が、そう疑問を投げ掛ける。

 政活費収支報告書によると、自民党神戸は2010~14年度、大野市議が窓口になり、11回の電話アンケートの委託費などとして「寿司(すし)店経営」が目的の業者に計約1120万円を支出。しかし、この業者は報告書に添付された領収書の住所に存在しないことが、神戸新聞社の取材で判明した。

 7月3日に会見した大野市議は、神戸市内の人材派遣会社に委託した計273万円分も含め、「調査は実施した」と強調。業者から受け取ったとする結果報告書も報道陣に示したが、その後、人材派遣会社などが調査の実施を否定した。

 29日の市議会代表者会議では、自民党神戸の団長も務めた浜崎為司市議=現在は別会派=が、大野市議と寿司店経営業者双方の弁護士が委託は架空だったことを認めたと報告。さらに、大野市議がこれら2業者から受け取ったとしていた調査報告書の「自作」を認めたことも明かされた。

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 市議の調査研究のため、神戸市議会では所属会派に議員1人当たり月額38万円の政活費が交付される。

 自民党神戸に所属していた市議によると、一部は共通経費として会派で管理。残りを各市議が市政報告の印刷などそれぞれの活動に使っていたといい、「他の人が何にいくらぐらい使っていたのかは知らない」と打ち明ける。

 一方、架空と判明した一連の調査委託について、自民党神戸の政活費収支報告書には調査項目や委託期間を記した文書が添付されている。当時の会派代表者として押印も残る浜崎市議が「はんこは押したが、全て(大野市議に)任せていたので知らない」と話すなど、会派内部のチェック体制の甘さが浮き彫りになっている。

 大野市議らは疑惑発覚直後、不透明支出分に利息を加えた約1530万円を会派として市に返還したが、政活費を架空支出した目的は明らかになっていない。議会関係者は「何に使ったのか。大野市議はもちろん、会派として説明する責任がある」と強調する。

 この問題をめぐっては、市民オンブズマン兵庫が、大野市議らを詐欺容疑などで刑事告発している。

【大野市議が自民を離党】

 自民党兵庫県連は1日、大野一神戸市議(62)が自民党を離党したと明らかにした。県連によると、大野氏から「一身上の都合」を理由に離党届が提出され、同日付で受理したという。(永田憲亮)

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【返還で終わりではない】

 全国市民オンブズマン連絡会議事務局長・新海聡弁護士の話 架空委託だったと判明した以上、支払われた政活費が何に使われたかを解明するのは非常に重要だ。疑惑の背景を探り、再発防止策を講じる基礎的な材料になるためで、返還して終わりという問題ではない。政活費は会派単位で支給されており当時のメンバーは説明責任を果たさなければならない。市議会としても、百条委員会の設置など真相究明へのきちんとした方向付けを示すべきだ。

2015/8/2

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