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元兵庫県議・野々村被告裁判

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政務活動費の不自然な支出について会見を行った野々村竜太郎兵庫県議(当時)=2014年7月1日、県議会
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政務活動費の不自然な支出について会見を行った野々村竜太郎兵庫県議(当時)=2014年7月1日、県議会

 元兵庫県議、野々村竜太郎被告が2014年7月に開いた「号泣会見」をきっかけに、政務活動費(政活費)の不正疑惑が各地の議会に広がった。兵庫県議会では30人の議員らによる不適切な使途が判明。県外の地方議会でも議員辞職や辞任に追い込まれる騒動に発展した。今年6月には神戸市議会でも会派による不透明な支出が発覚し、市民感覚とかけ離れた実態が次々と明らかになっている。

 兵庫県議会は野々村被告の問題発覚後、全議員の11~13年度の収支報告書を調査。最終的に同被告を含めて30人と1会派が不適切な支出だったとして計約2500万円を返還したと発表した。妻を同伴した国内外への視察や絵画の購入費用を政活費から支出するケースもあった。

 14年10月、徳島県と大阪府東大阪市の両議会でも政活費問題が噴出した。徳島県議会では領収書を偽造し、開いていない県政報告会の経費を受給したベテラン議員が辞職。東大阪では、後援会活動など政務活動以外にも使う事務所の賃料を政活費から規定以上に支出したとして議長が辞任した。

 号泣会見から1年後、神戸市議会でも不自然な支出が発覚。裏金を捻出するため、架空の調査委託や印刷経費を会派の政活費から支出したとされ、総額は市議会の調査で計約3447万円と推定される。

 兵庫県議会11・0ポイント減、東大阪市議会42・2ポイント減-。13年度と14年度の政活費の執行率(交付総額に占める支出総額の割合)を比較した数字だ。市民組織「全国市民オンブズマン連絡会議」による調査で、不祥事が報じられた議会ほど減少が目立つ。

 号泣会見から1週間で兵庫県議会に寄せられた苦情などは約3千件。県議会は再発防止のため、14年9月に条例改正して政活費の月額支給額を45万円に1割削減した。15年度の支出分から領収書を含む関係書類を、県議会ホームページで公開することも決めた。

 兵庫県議会と神戸市議会の一連の問題は刑事事件になる可能性もある。市民オンブズマンは野々村被告以外の県議ら9人を詐欺容疑などで告発し、神戸地検はうち5人の捜査を続ける。市議会も被疑者不詳のまま詐欺と虚偽公文書作成・同行使の疑いで告発状を県警に提出している。24日から始まる野々村被告の公判で神戸地裁の判断が今後の捜査に影響する可能性もある。(有島弘記)

2015/11/21
 

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