“号泣県議”として注目を集めた元兵庫県議、野々村竜太郎被告（４９）の初公判が２４日午後３時から神戸地裁で開かれる。遠方への日帰り出張名目などで政務活動費（政活費）をだまし取ったとして神戸地検が今年８月、詐欺などの罪で在宅起訴していた。号泣会見以降、公に姿を現していない同被告が虚偽申告の方法などを説明するかなどが注目される。

　野々村被告の政活費疑惑は２０１４年６月、県議会の資料を基に神戸新聞が明らかにした。自宅から鉄道で３時間以上かかる城崎温泉（豊岡市）などへの日帰り出張を１年間に計１９５回繰り返したとして計３００万円以上を支出していた。

　野々村被告は７月１日、会見を開いて支出の正当性を強調したが、その途中に大泣き。映像は海外にも配信され波紋を広げた。

　問題発覚後、野々村被告は議員辞職し、政活費も全額返還したが、県議会の告発を受けて兵庫県警が今年１月に書類送検。神戸地検は最終的に１１～１３年度分の計約９１３万円をだまし取ったとして在宅起訴した。

　公判での主張について弁護人は「法廷で明らかにする」と説明しており、初公判には多数の傍聴希望者が集まるとみられる。（有島弘記）