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元兵庫県議・野々村被告裁判

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野々村竜太郎被告
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野々村竜太郎被告

 政務活動費(政活費)の不自然な支出をめぐる事件で、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた元兵庫県議、野々村竜太郎被告(49)に対して、神戸地裁が6日、判決を言い渡す。昨年11月の初公判の欠席を含め、公判は約7カ月の間に計4回。同被告の発言などからこれまでの審理を振り返る。

■「精神的に不安定」(延期された初公判)=2015年11月24日

 初公判が予定されていた当日、出廷できない理由を弁護人にメールなどを通じてこう説明したという。「早朝に家を出ようとしたところ、マスコミ関係者と鉢合わせしてパニック状態になった。精神的に不安定で法廷に出られる状況ではない」。裁判長は初公判の延期を決定。刑事裁判で被告人が欠席する異例の展開となり、神戸地裁は16年1月のやり直し初公判前に、身柄を拘束して強制出廷させる「勾引」の手続きをとった。

■「(政活費の)返還を免れようとしたことはございません」(やり直し初公判の罪状認否)=16年1月26日

 神戸地裁の勾引により、14年7月の「号泣会見」以来、初めて公の場に姿を見せた同被告は頭をそり上げて出廷した。「(初公判の欠席を)深く反省しております。申し訳ございません」と謝罪した後、罪状認否で「虚偽の収支報告書を提出し、返還を免れようとしたことはございません」と用意したメモに目を落としながら主張。架空の日帰り出張など政活費約913万円を詐取したとする起訴内容を否認した。

■「記憶にございません」(被告人質問)=1月26日、2月22日

 やり直し初公判では、検察と弁護側双方による被告人質問もあった。収支報告書の内容や記載した日帰り出張の行程などを確認する質問に対して「記憶にございません」「覚えておりません」を90回以上連発した。記憶がない理由について問われると「記憶障害の可能性があると診断されております」。診察の時期は「平成27年(15年)12月9日です」とはっきりと話した。

 被告人質問では警察の取り調べを批判。取調官らの名前を挙げながら「ほとんど主張を聞いてもらえなかった」「恐怖と不安と訳が分からない気持ちでいっぱいでした」

 被告人質問は16年2月22日の公判でも続いたが、同被告はやり直し初公判と同じく「記憶にございません」を繰り返した。

■「1人でも多くの方を幸せに」(論告求刑公判)=4月25日

 被告人に与えられる最後の発言機会「最終意見陳述」。野々村被告はあらためて収支報告書の作成について記憶がないとした上で「説明責任を果たせないことにつきまして、誠に申し訳ございません」と述べ、さらに「1人でも多くの方を幸せにすること、少なくとも、他人にご迷惑をお掛けしないことを誓約致します」とメモを朗読した。

 野々村被告に対する判決の宣告は6日午後2時半から。検察側は懲役3年を求刑している。

2016/7/5
 

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