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川のようになった国道179号を通って避難する住民=2009年8月10日未明、兵庫県佐用町佐用
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川のようになった国道179号を通って避難する住民=2009年8月10日未明、兵庫県佐用町佐用

川のようになった国道179号を通って避難する住民=2009年8月10日未明、兵庫県佐用町佐用

川のようになった国道179号を通って避難する住民=2009年8月10日未明、兵庫県佐用町佐用

■避難巡る課題 浮き彫り 

 兵庫県佐用町内の24時間雨量は、観測史上最多(当時)の326・5ミリを記録した。住民は「バケツをひっくり返したような雨だった」と後に振り返った。

 河川からあふれた濁流は山あいのまちをのみ込み、約1800戸の家屋が浸水。町内だけで死者18人、行方不明者2人(ともに特別失踪宣告が認められ、法律上は死亡)に上った。

 濁流は、高齢化や人口減少など地域がもともと抱えていた課題を浮かび上がらせた。人口わずか2万人足らずの町では、財源や人材の確保は思うに任せず、復興は困難を極めた。

 さらに町が発令した避難勧告のタイミングを巡り、遺族は町長らを提訴した。避難所へ向かう途中、2家族5人が増水した用水路に流され犠牲になったことに対し、遺族らは町の責任を厳しく追及した。

 避難勧告の遅れについて、町が設置した災害検証委員会は「発令の基準があったにもかかわらず、過去の経験則や現場からの報告を重視した」と指摘した。

 一方で訴訟では、町による勧告のタイミングと遭難との因果関係は認められないとして、遺族らの請求を棄却した判決が確定した。

 自治体による速やかな呼び掛けと、被災者自らによる適切な判断。避難を巡る課題は、西日本豪雨などでも再び問われた。(小西隆久)

【8月の主な出来事】

7日  ケニア、タンザニアの米大使館付近で同時爆破、死者200人超(1998年)

8日  郵政民営化法案否決で衆院解散(2005年)

    天皇陛下が「お気持ち」表明(16年)

9日  兵庫県西・北部豪雨で犠牲者22人(09年)

    ロンドン五輪レスリングで吉田沙保里選手3連覇(12年)

10日 リオ五輪体操で内村航平選手2連覇(16年)

11日 川内原発が再稼働。新規制基準で初(15年)

12日 通信傍受法成立(99年)

13日 尼崎の運河で、両親から虐待を受けた小1男児の遺体発見(01年)

2018/8/7
 

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