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大学連携/地域連携

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村尾信尚氏 木本圭一氏 太田貞夫氏 田中まこ氏
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村尾信尚氏

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【コーディネーター】

■関西学院大学教授、「NEWS ZERO」メーンキャスター 村尾 信尚氏

【パネリスト】

■関西学院大学研究推進社会連携機構社会連携センター長 国際学部教授 木本 圭一氏

■神戸新聞パートナーセンター長 太田 貞夫氏

■神戸フィルムオフィス代表 田中 まこ氏

▼木本氏 地域再生の核大学が担う

▼田中氏 若者の提案積極的に採用

▼太田氏 地元に誇りを持つ一助に

 村尾 まずは自己紹介から。

 木本 2002年に当時の学長からの要望で社会連携推進を担うことになり、企業、地域との連携することになった。まず宝塚市と連携を結んだ。宝塚市は温泉施設の設置をめぐって市と住民との関係がぎくしゃくしていた。そこに利害関係者ではない大学、さらに学生が両者のつなぎ役となって、話を進めていった。大学が地域再生の核になるプロジェクトがその後増えていった。

 太田 パートナーセンターが今年3月に発足したのを機に、神戸新聞社のスローガンを「もっと近く、もっと深く」から「もっといっしょに」へ変えた。私たちは阪神・淡路大震災を経験して以降、単に傍観者として記事を書くだけでなく、同じ地に生きるものとして「寄り添う報道」へと変わっていった。以来、地域の課題を掘り起こすだけでなく、一緒になって解決できる共感メディアを目指してきた。今年4月には朝来市とまちづくりの連携協定を結んだ。竹田ビジョン会議を開き、住民、関学大の先生にも委員に入ってもらい、竹田城跡の冬季の活用策を考えた。

 田中 竹田城跡がブームとなるきっかけをつくったのはまさに映像作品だった。阪神・淡路大震災後に神戸市から「神戸の街を本当の意味で元気にするためには何が必要か」と相談を受けた。震災で壊れているイメージを払拭して復興した街の映像を発信することで観光客に訪ねてもらうことができると伝え、2000年に神戸を舞台にした映画・ドラマなどのロケを誘致するフィルコミッション事業を立ち上げた。

 村尾 兵庫県、神戸市の未来を語るに当たって、神戸の現状をどのようにとらえているか。

 木本 神戸、阪神間には多くの大学が集積している。18歳以上では人口が増えるが、卒業後は東京、大阪に出てしまうため、22歳以上でまた減る傾向にある。県内には優良な企業がたくさんあるにもかかわらず、そのことが大学生に伝わっていない。例えば、全国の日本酒生産の約4割を占める灘五郷もその一つだ。

 太田 兵庫県、神戸市ともに、いかに若者に選ばれる地域にするかが大きな課題だ。関学大の学生に地域の魅力をストーリーにして紹介してもらうことで、地元の方もそれまで当たり前だと思っていた資源を再認識し、誇りに思えるようになると思う。

 村尾 田中さんは神戸の課題をどうとらえているか。

 田中 「神戸はおしゃれ」と言う人が多いが、何をご存じですかと尋ねると答えが返ってこない。イメージはいいのだが、ぼんやりしている。海外の方になるとさらに知らない。だが、神戸に来た外国人に実際に話を聞くと、必要なものが全て手に入り、すごく居心地がいいので観光のベースキャンプになるという声を聞く。外国人の生の声を聞いて発信していくべきだ。

 村尾 さまざまな課題が出された。知力の拠点である関学大と、情報発信力を持つ神戸新聞社が連携して、この課題に対してどのように取り組んでいこうとしているのか。

 木本 神戸新聞社は、情報発信力はもちろんのこと、情報検索力もある。地域の問題点については神戸新聞社が情報を持っているからだ。学生編集会議という場を設けてもらい、毎月第1水曜の夕刊に署名入りで記事を書かせてもらっている。学生の視点で課題をとらえることで地域にも貢献できると思う。

 村尾 紙面だけでなくウェブの活用も重要だと思うがどうか。

 太田 現在は紙面で書いてもらっているだけだが、神戸新聞の電子版は地方紙の中でも最も閲覧数が多いので、今後はネットでも発信していきたいと考えている。

 村尾 講演で述べたように、世界経済で日本のシェアは4・4%にすぎない。残り95・6%の市場に対して連携によってどう切り込んでいけるのか。

 田中 地元の良さを知るには外からの視点で見ることが大事だ。若者に兵庫県から一度出てもらい、外から見る目を養ってもらって、新たな気づきを指摘してもらえるといい。魅力に気づけるように新聞社、大学が誘導していけるといい。

 木本 私が所属している国際学部のゼミでは15人中9人が海外にいる。海外で学んだ学生たちは、日本人のアイデンティティーを持って日本に帰ってくる。また、英語を母国語としている外国人もいる。その学生たちが今取り組んでいるのが日本酒振興プロジェクトだ。自ら百貨店の代理店と交渉し、海外に売りに行く学生も出てきている。

 村尾 関学大、神戸新聞社のサポートを受けた上で、地域をどうするかを判断するのは地域で暮らす人たちだ。最後に一言ずつ。

 田中 若い学生から出てきたアイデアを、自治体は積極的に取り入れてほしい。そうすることでもっとアイデアが出てくるようになる。

 木本 地域の方には、学生のアイデアに対して思うことをはっきり伝えてほしい。それが学生のためになるし、さらにいいアイデアにつながっていく。

 太田 「もっといっしょに」の輪をさらに広げ、地域に誇りを持って住んでもらう、戻ってもらう一助ができればと思っている。

〈関西学院大と神戸新聞社の取り組み〉

▼朝来市ビジョン会議 竹田地域の観光施策模索

 朝来市では、国史跡・竹田城跡(和田山町竹田)周辺の観光について考える「竹田地域ビジョン会議Ⅱ」に参加している。

 この会議は神戸新聞社とまちづくりの連携協定を結ぶ朝来市が今年春、同社と共同で立ち上げた。積雪がある冬季の城跡活用策について話し合った会議の続編。

 秋からは、竹田城下の観光ルート策定、地域食材のブランド化、PR・広報戦略について、分科会を設けて住民と共に議論。八木康夫・関学大総合政策学部教授ら専門家が協議に参加し、神戸新聞パートナーセンターが議事進行で協力している。

 今月初めには中間報告があり、具体的なプランを提案する分科会もあった。さらに議論を重ね来年2月、市へ施策を提言する予定だ。

▼IT起業家支援 雇用創出し経済活性化

 ITを活用した起業家(スタートアップ)を支援する「神戸スタートアップオフィス事業」。経済活性化と雇用創出を目指す神戸市の新規事業で、関学大と神戸新聞社が共同で運営する。神戸・三宮の商業施設「ミント神戸」内に活動拠点となるオフィスを来年1月末に開設。起業家向けに約3カ月間の集中プログラムを実施し、活動資金の提供、メンタリングと呼ばれる助言などに取り組む。2018年春までの約2年半で計25事業者を支援する。

 第1期の支援対象5チームの事業プランは次の通り。

 海外在住の外国人向け医療情報サービス▽女性向け下着のオンライン「試着」▽介護タクシーの検索・予約▽認知症予防アプリ▽会員制交流サイト(SNS)を活用した食のコミュニティーづくり

▼ぼうさいマスター 防災の技術 学び伝える

 阪神・淡路大震災の記憶と教訓を次世代に伝えるため、防災ワークショップなどの開催に取り組む「117KOBEぼうさいマスタープロジェクト」にも関学大から学生3人が参加している。

 この取り組みは神戸市と神戸新聞社の共同事業で、同大や兵庫県内の学生ら約70人が活動を続けている。

 10月末には神戸空港島で1泊2日の「避難所体験キャンプ」を実施。テント設営、火起こし、非常食の調理などに挑戦する親子を学生がサポートし、災害時に生き抜くための技術や心構えを学んだ。

 中心メンバーで関学大総合政策学部4年の中川悠美さん(22)は「活動を通じて災害の怖さが想像でき、備えられるようになった。繰り返し参加してくれる人が増え、手ごたえを感じる」と話す。

▼学生編集会議 夕刊で学園情報を発信

 関学大新聞総部と体育会学生本部編集部の学生11人は、神戸新聞の夕刊紙面上でキャンパス情報の発信に取り組んでいる。

 学内で新聞を発行する両団体の学生が取材・執筆した記事を、神戸新聞編集局の夕刊編集長らが添削。文章の構成や表現方法、写真の撮り方、取材方法などを指導する。記事は10月にスタートした毎月第1水曜の神戸新聞夕刊キャンパス面で「学園リポート」として掲載されている。

 これまで紹介されたのは、学祭開催のための署名集め▽馬術部の活動内容▽新入部員の体育会入会式▽学内のお値頃な「高級」ステーキ店▽女子バレーボール部の活動内容▽受験生向け「赤本」プロジェクト-の計6本。

 学生たちはキャンパスの最新情報を求めて日々、取材活動に臨んでいる。

水路や石橋がある竹田地区を歩く「ビジョン会議」のメンバーら=朝来市和田山町竹田

避難所体験キャンプで、非常食を使った夕食を調理する参加者ら=神戸市中央区、神戸空港島

2015/12/24

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