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戦争とひょうご記事一覧

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調査結果をまとめた表。出征した学生の行は黄色で示されている=神戸市灘区六甲台町、神戸大学百年記念館
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調査結果をまとめた表。出征した学生の行は黄色で示されている=神戸市灘区六甲台町、神戸大学百年記念館
学徒出陣を控え、湊川神社に集団参拝する神戸商業大予科の生徒=1943年、現在の神戸市中央区多聞通3(大学文書史料室提供)
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学徒出陣を控え、湊川神社に集団参拝する神戸商業大予科の生徒=1943年、現在の神戸市中央区多聞通3(大学文書史料室提供)

 太平洋戦争中、神戸大(神戸市灘区)の前身校、旧制神戸商業大から学徒出陣した学生の数は入学者の8割を超えていたことが、神戸大付属図書館大学文書史料室の調査で分かった。神戸大による学徒兵の実態調査は初めて。全国の学徒兵の総数は約13万人ともいわれるが、戦後70年を経ても明確ではなく、専門家はこうした大学ごとの記録の重要性を指摘する。

 神戸大は1949年、神戸商業大が前身となる神戸経済大、旧制姫路高校など7校が統合して設立。空襲や戦後の混乱で各校の資料が失われ、これまで学徒兵の概数さえ把握されていなかった。

 同史料室は、比較的資料が残っていた神戸商業大と姫路高校2校に着目。神戸大に保管されていた学籍簿や出席簿、入学時の提出書類を捜し、戦後に保護者から寄せられた学生の消息を知らせる手紙などと突き合わせて洗い出した。

 神戸商業大(44年から神戸経済大)では、42年10月~45年4月の間に入学した910人中、少なくとも84%に当たる762人が出征し、そのうち戦死とされたのは68人。一方、生徒の年齢層が低い姫路高校は、ほぼ同時期で1155人中82人の出征が判明した。

 調査結果は11月6日まで、神戸大で開催中の特別展「戦時下の神戸大学」で展示している。個人情報保護との兼ね合いから調査対象の学生の氏名は、名字の1文字目以外を伏せた上で、本籍地▽生年月日▽出身校▽入隊日▽軍歴▽復員日▽卒業日-などを一覧表にして公開。いかに多くの学生が青春を奪われたかが、実感できるようになっている。

 野(の)邑(むら)理栄子室長補佐(43)は「教育より戦争遂行が重要視されていたことがあらためて浮き彫りになり、ショックだ。判明した情報量には個人でばらつきがあり、はっきりしない部分もある。今後も研究を継続したい」と話す。同史料室TEL078・803・5035

(小尾絵生)

 

 【学徒出陣】

 太平洋戦争で局面が悪化するのに伴い、兵力不足を補うため、1943年10月、旧制大学や高校、専門学校などの学生や生徒に認められていた徴兵を猶予する措置が、理工系を除いて停止された。東京の明治神宮外苑(がいえん)競技場などで出陣学徒壮行会が開かれ、同年12月には満20歳以上の法文系の学徒が陸軍や海軍に入隊した

 【日本近代大学史が専門の折田悦郎・九州大教授の話】

 国全体の学徒出陣の数はいまだ定かではなく、各大学による調査の積み重ねでしか明らかにすることができないため、神戸大の取り組みは意義深い。大学の内部文書は個人情報の塊で、保管大学でしか扱えない。体験者がいなくなりつつある戦後70年の今こそ、証言とともに基礎データを記録に残さなければならない。

2015/11/1

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