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 中播磨県民センターと西播磨県民局は2月8日、2024年度当初予算案を発表した。25年の大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)などの大型イベントを目前に控え、中播磨は瀬戸内海周遊クルーズの実証実験や多言語パンフレットの作成など観光振興策を強化。西播磨もPR動画やグッズの製作で交流人口の拡大を図る。担い手の確保が急務となっている農業や水産業への支援にも注力する。

 中播磨県民センターは、瀬戸内海周遊クルーズや明治・大正期に播磨と但馬を結んだ産業道路「銀の馬車道・鉱石の道」のブランド化などの独自事業に計7500万円を計上した。

 23年度から2カ年で実証実験を行っている周遊クルーズでは、24年度は瀬戸芸の会場となる香川県・直島と姫路港を結び、アート好きの外国人の誘客につなげる片道ツアーを新たに実施する。経由地の姫路・家島では観光客の流入を見込み、島内のイノシシによる獣害防止に向けた住民参加型の実態調査なども行う。

 万博などに訪れたインバウンド(訪日客)向けには、地元の名所やグルメをまとめた既存のガイドマップを英、中、韓、仏の4カ国語に翻訳して配布する。

 24年度も9回の観光クルーズ船の寄港を予定する姫路港をさらにPRするため、米国のクルーズ見本市「シートレード・クルーズ・グローバル」に出展する。

 銀の馬車道の事業では、馬車道が通っていたとされるJR姫路駅の中央改札口近くの床面にシールを貼る。駅利用者が視覚的に楽しめる仕掛けで、地域の歴史資源をアピールする。

 担い手の高齢化や人手不足が深刻な農業・水産業の支援にも注力。カキ養殖で余ったカキ殻を海底に散布し、魚の餌となるゴカイなどの生物の発生を促す実証事業に乗り出す。農業では肥料の高騰対策として有機農業を促進。スマート農機具の導入も支援して農作業の省力化を進める。

 若年層の他地域への流出が続く状況に歯止めをかけるため、企業と学生との交流の場を創出する。中播磨管内の企業と高校生が協力し新商品を開発する「アイデアカフェ」も新たに実施。ものづくり産業の人材確保を支援するため学生向けの工場見学なども企画する。(森下陽介)

2024/2/9
 

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