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洲本5人刺殺事件

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 「完全責任能力の状態にあった」。2015年3月に兵庫県洲本市で男女5人が刺殺された事件で、22日に死刑が言い渡された神戸地裁判決。最大の争点となった平野達彦被告(42)の責任能力を巡り、判決は心神喪失状態にあったなどとする弁護側の主張を退けた。公判を通じて被告の口から繰り返された独自の世界観をどう捉えたらいいのか。裁判員は理解に苦しみながらも、重い決断を下した。

 「何が何だか全く分からない状態でした」

 判決後の裁判員の会見で、男性会社役員(53)=西宮市=は初公判をそう振り返った。

 「工作員が脳をブレーンジャックして、殺害意思を持つように強制した」「精神工学戦争を隠蔽(いんぺい)するために仕組まれた」「工作員に仕組まれた犯罪」…。公判を通じ、被告が展開する主張に、「自分の主観ではあり得ない話。でも、被告の中では存在するんだろうと考え続けた」と苦渋の表情を浮かべた。

 30代の男性会社員=同=は公判で示された証拠に触れ、「被告と同じような考えを共有している人がいることや、関連した書籍があるのを見て、信じてもおかしくないのかもとは思った」。議論を経て、殺害は正常な判断に基づくと判断したが、一貫した持論に「責任能力の有無には悩んだ」と明かした。

 この日、主文の朗読が後回しになり、平野被告は判決理由をじっと聞き続けた。「死刑」が言い渡されると、裁判長の言葉に小さくうなずいた。裁判員から見える表情はうつろだったという。

 判決を受け、被害者の平野毅(たけし)さん=当時(82)=夫妻の遺族は「理解に苦しむ主張は聞いているだけで苦痛だった。反省も感じられなかった」とのコメントを出した。平野浩之さん=同(62)=ら3人の遺族は「判決が出ても元通りにはならない。せめて判断が被告に響いてほしい」とした。

2017/3/22

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