記事特集
阪神・淡路大震災後、被災建物の復旧作業に約2カ月携わった宝塚市の男性=当時(65)=がアスベスト(石綿)疾患の中皮腫で死亡、西宮労働基準監督署が労災として認定していたことが分かった。男性はこの2カ月を除き石綿を吸い込むような仕事をしておらず、遺族は「震災復旧作業で石綿を吸引したとしか考えられない」と話している。
震災に絡む石綿被害では、姫路労基署が2008年、被災建物の解体作業に携わり、中皮腫を発症した男性の労災を認定。今月16日には、震災がれきの回収・運搬に従事し、中皮腫を発症した明石市職員が地方公務員災害補償基金に公務災害を申請した。ほかにも震災の影響が疑われる発症事例があり、被災地の被害の広がりが懸念される。
宝塚市の男性の妻(67)によると、男性は流通業界で働いていたが、1974年に退職し自営で衣料品販売を始めた。
しかし、95年の震災で衣料品の仕事ができなくなり、同年2月から約2カ月間、アルバイトで復旧作業に関わった。西宮、芦屋、神戸市などで被災家屋の屋根瓦や廃材の片付け、マンションの改修工事にも立ち会った。
マンションの室内では職人が壁や天井をはがしたり、電動のこぎりで建材を加工したりしたため、相当量の粉じんが部屋に立ち込めた。また、付近では建物の解体、撤去作業も行われていたという。こうした復旧作業に伴う粉じんに、石綿が混入していた疑いが強い。
体調を崩した男性は昨年1月、悪性胸膜中皮腫と診断され、同10月に死亡。医師から「どこかで間違いなく石綿を吸っているはず」と言われ、職歴や居住歴を調べたが、震災復旧作業を除いて石綿を吸い込む環境はなかったという。男性は石綿健康被害救済法に基づき、独立行政法人・環境再生保全機構に申請し、昨年5月に救済の認定を受けた。その後、6月に西宮労基署に労災補償を請求していた。
妻は「たった2カ月の仕事で、こんな病気になり、夫はずっと悔しがっていた。震災後、全国各地から被災地に人が集まった。夫と同じような仕事をしていた人はたくさんいたはず」と話している。(中部 剛)
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