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母の写真を手に、竹灯籠を見つめる佐藤悦子さん=17日午前7時4分、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・中西大二)
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母の写真を手に、竹灯籠を見つめる佐藤悦子さん=17日午前7時4分、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・中西大二)

母の写真を手に、竹灯籠を見つめる佐藤悦子さん=17日午前7時4分、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・中西大二)

母の写真を手に、竹灯籠を見つめる佐藤悦子さん=17日午前7時4分、神戸市中央区加納町6、東遊園地(撮影・中西大二)

 「お母さん、またこの日が来たね」

 明かりに照らされた母の写真に、佐藤悦子さん(49)=加古川市平岡町土山=が話し掛けた。母の正子さん=当時(64)=は今も行方が分からない。3人の「震災行方不明者」に含まれる。

 あの朝、悦子さんは嫁ぎ先の加古川市内で激しい揺れに襲われた。神戸市須磨区大田町の実家で一人暮らしをしていた母に電話を掛けたが、つながらない。翌朝、兄が「おふくろおるか」と駆け込んできた。冗談かと思ったら、兄が言った。「家ないんやぞ」

 その後の記憶は今もあやふやだ。

 実家周辺は震災後の火災の被害が大きかった。自衛隊や警察が繰り返し捜索したが、母は見つからない。連日、病院や避難所を捜して回った。

 そんな中、悦子さんに12歳上の姉がいたことを知った。母は父とは再婚だった。母自身も生前、ひそかに捜していたという。姉に会った悦子さんは「母が引き合わせてくれた」と思った。

 あれから18年。まだ幼かった悦子さんの娘たちは独立し、孫も生まれた。しかし、母は行方不明のままだ。「もう亡くなった」と思うように努めてきたが、ふと気が付けば人混みで、母に似た後ろ姿を追ってしまう。テレビのニュースを見ながら、どこかに映っているのではと画面を捜している。

 「忘れられないし、忘れたくない」。やっぱりもう一度会いたい。(仲井雅史)

2013/1/17

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