記事特集
阪神・淡路大震災をきっかけに生まれ、国内外のまちづくりに携わってきた市民団体「まち・コミュニケーション」(神戸市長田区御蔵通5、通称まち・コミ)が、震災から丸18年を前にNPO法人に移行した。子どもたちに震災を語り継ぎ、命の大切さを伝える学習会や、東日本大震災の被災地復興支援などを柱に、住民主役の社会づくりを目指す。(上田勇紀)
まち・コミは震災から1年3カ月後の1996年4月、東京から神戸に移り住んだボランティアらが結成。震災でおよそ8割が全半壊(焼)した長田区御蔵通5・6丁目を拠点に、被災者が必要とする情報を提供する新聞を作り、毎日配った。
地区は神戸市の震災復興土地区画整理事業の対象になり、市と住民とで協議が続いた。まち・コミは総会に出席できない住民のために「はがき投票」を提案するなどで声を集め、行政とつなぐ役割を担ってきた。
修学旅行などで訪れた全国の小中学生らを対象にした震災学習や、台風23号(2004年10月)で被災した豊岡市出石町の「鳥居やすらぎ市民農園」への支援を展開。台湾中部大地震(1999年9月)の被災地との交流をきっかけに台湾に日本の古民家を移築するなど、国外のまちづくりにも携わる。
NPO法人移行のきっかけは東日本大震災。関西では「まち・コミ」の名前が浸透していたが、東北ではまだ知られていない。支援団体の多くがNPO法人化するなか、信頼度を高めて活動の場をさらに広げるため昨年12月、法人格を取得した。これまで通り、会員の年会費や寄付などを活動費に充てる。
代表理事の宮定章さん(37)=西宮市=は東日本大震災後、高台移転問題を抱える宮城県石巻市の雄勝地区に入り、住民と意見を交わす。「神戸の経験を生かし、自分たちでまちをつくろうという機運を高めたい」と話す。
理事の田中保三さん(72)は、阪神・淡路大震災で神戸市長田区の自動車部品卸会社の大半が全焼。だが、社員を1人も辞めさせることなく再建にこぎつけた経験をもとに語り部活動を続けている。「南海トラフの巨大地震など、今後の備えのためにも、災害を語り継がないといけない」
阪神・淡路から丸18年の17日早朝には、まち・コミのメンバーや支援者が集まり、長田区御蔵通5の御蔵北公園で黙とうする。
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