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 阪神・淡路大震災の被災者向けに兵庫県が借り上げた復興住宅が2016年度から順次、返還期限を迎える問題で、県は28日までに、年齢や障害の有無を条件に、一部住民の継続入居を認める方針を固めた。本年度中に、専門家による検討協議会で具体的な条件を決める。(木村信行、黒田勝俊)

 震災後、県が都市再生機構(UR)から借り上げた復興住宅はピーク時で約3千戸。現在は神戸、尼崎、西宮、明石市内の37団地、1865戸に入居している。

 県はUR住宅と県営住宅の家賃差額分を負担。11年度までに計292億円を支出した。単年度では約12億円に上り、契約を延長すれば財政を圧迫するとの指摘もあった。

 県が11年、住み替えの意向調査を実施したところ、約3割が「困難」と回答。このため、県は退去期限前に住み替えた入居者に最大30万円を支給する制度を設け、今年11月末までに171世帯が転居した。1月には福祉や住宅の専門家ら14人による「活用検討協議会」を発足し、入居継続の可能性を検討してきた。同協議会は今後、年齢など継続入居を認める具体的な条件を詰め、県に提言する。

 井戸敏三知事は「住み替えてもらうのが原則だが、どうしても困難な入居者には公平性を考慮した上で適切に対応する」と延長に言及。棟ごと借り上げているUR住宅の買い取りも「検討している」とし、来年3月までに結論を出す方針だ。

 一方、神戸市は15~23年度の返還期限を前に、市営住宅への早期住み替えをあっせんしている。全戸の返還方針に変わりはないというが、矢田立郎市長は「障害者や要介護度の高い人については、市会の与党会派からも対応を問われている。どこかで答えを出さなければいけない」と話す。尼崎市の担当者は「県や他市の動向を見て判断したい」とする。

 兵庫県震災復興研究センターの出口俊一事務局長は「年齢による線引きでは新たな不公平感を生む可能性がある。体調不良の若年者もおり、個別の事情をくみ取るべき。一歩前進であり、他の被災市も契約延長に踏み込んでほしい」と話している。

【借り上げ復興公営住宅】1996年の公営住宅法改正で導入。兵庫県と神戸、西宮、尼崎など被災各市は仮設住宅後の「終(つい)のすみか」として約4万戸の災害復興公営住宅を整備。このうち約8千戸を公団や民間から借り上げた。だが、20年の期限付き契約のため、2015年度から順次、返還期限を迎える。宝塚市は全30戸の延長を決めている。

2012/12/29

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