連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

記事特集

  • 印刷
拡大

 阪神・淡路大震災の被災者に国や自治体が最大350万円を貸し付けた「災害援護資金」について、返済途中の人が昨年3月末時点で1万2210人おり、未返済額が約183億円に上ることが兵庫県のまとめで分かった。前年から771人、約12億円減ったが、返済義務のある人の約6割を60代以上が占め、高齢世帯に負担が重くのしかかっている。東日本大震災では特例で返済免除要件が拡大されており、県は阪神・淡路も同様の対応をするよう国に要望しているが、実現していない。(岡西篤志)

 県によると、阪神・淡路後の1995年10月末までに、5万6422人が計約1308億7千万円の災害援護資金を借りた。借受人の市町への返済期限は10年だが、現在も約2割が返済できていない。

 このうち、昨年3月末時点では、借受人が破産状態か行方不明で保証人が死亡や重度障害などの「返済不可能」が1030人、借受人が死亡や重度障害を負うなどし、保証人が低所得などで返済できていない「返済困難」が971人。月々千円単位といった「少額返済」をしている人も1万209人いるが、完済にはかなりの期間を要するケースが少なくない。

 返済義務のある人を年代別でみると、調査方法が異なるが、未返済件数の約9割を占める神戸、西宮、尼崎、芦屋市で、約6割が60代以上。今後収入が増える見込みの人は少なく、焦げ付く可能性も高い。

 ある市の担当者によると、一部の悪質なケースを除き、「市には迷惑かけられない」と年金から少しでも返そうとしている高齢者も多いという。自然災害でやむなく背負ってしまった借金が生活苦などを理由に返せない人がおり、「免除すべき」と思う一方で、完済にこぎ着けた人も多くいる。この担当者は「徴収する立場だが、さまざまな矛盾を抱えながらやっている」と話す。

 井戸敏三知事は神戸新聞の取材に対し「現在も返済が残っているのはよほど対応が難しいケース。国は少なくとも東日本並みの対応をしてほしい」と語った。

  ◇  ◇

 【災害援護資金】災害弔慰金法に基づき、全半壊の世帯に150万~350万円を貸し付ける制度。原資は国が3分の2、残りを都道府県か政令市が負担し、政令市を含む市町が貸し付けと返済の窓口となる。阪神・淡路大震災の場合、5年間は無利子、その後の利率は年3%。国への返済期限は2度の延長を経て2014年3月となっているが、返済できない場合は市町が債務をかぶる。借受人が死亡もしくは重度障害を負った場合で、かつ連帯保証人が死亡や重度障害、行方不明、破産の状態になった際は返済が免除される。国は東日本大震災に限り免除要件を拡大、支払期日を10年過ぎても「無資力状態」にある人を含むようになった。

2013/1/11

天気(6月21日)

  • 26℃
  • 21℃
  • 20%

  • 30℃
  • 19℃
  • 10%

  • 26℃
  • 21℃
  • 40%

  • 28℃
  • 20℃
  • 10%

お知らせ