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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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陰山英男さん
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陰山英男さん

■分限休職処分、理解できる

 兵庫県朝来町(現・朝来市)の小学校で「百ます計算」に取り組んだ。縦横10個のますを作り、基本的な計算を繰り返す学習で、神戸の小学校に勤める先生に教わった。

 指導法を試行錯誤する中で、保護者から「宿題が多すぎる」と批判の声が上がった。首をかしげる教員もいた。それでも校長や教頭は全否定せず、見守ってくれた。

 方法についての戸惑いはあったと思う。でも、「学力向上」という根本的な目標は共有していた。学校と教育委員会が一丸となり、やがて成果が出始め、保護者も応援してくれるようになった。

 思い返せば、学校と保護者は、本音でやりとりをしていた。「先生は授業に力を入れてほしい。子どもたちのしつけは親や地域の役目」というメッセージを感じた。理解してくれる姿に、教員のモチベーションも上がった。

 東須磨小では、管理職が校内で何が起きているかを把握せず、先生たちがバラバラの方向を向いていたように思える。学校内でそうなのだから、保護者や市教委と連携できていたのだろうか。

 今回、分限休職処分を可能にした条例改正など、市長や市議会の動きは理解できる。教育現場が信頼を損ねてしまったという現れで、残念だがやむを得ない。

 税金で運営されている以上、公立学校は地域住民の願いをかなえる存在であるべきだ。保護者も学校に率直な気持ちで思いや願いを伝えてほしい。

 形式的な保護者やPTAの会合ではなく、本音で意見交換ができる場を設けるといったシステムも必要ではないか。お互いの信頼の中から、再生の方向性を打ち出せるはずだ。(聞き手・太中麻美)

【かげやま・ひでお】1958年朝来市生まれ。反復学習で基礎学力を向上させる「陰山メソッド」を確立させた。政府の教育再生会議委員や大阪府の教育委員長を歴任。京都市で学習塾「陰山スコーラ」を主宰する。

     ◇     ◇

 さまざまな分野の方に聞くリレーインタビュー「先生はいま 私の考え」は随時、掲載します。

2019/11/20

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