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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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在宅で仕事しながら、子どもの面倒を見る一家=神戸市西区(撮影・大森 武)
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在宅で仕事しながら、子どもの面倒を見る一家=神戸市西区(撮影・大森 武)

■SOS気付く機会模索

 午前7時すぎ、子どもを起こす。朝食を済ませて勉強に取りかかる。目標は1日3時間。分からないことがあればそばで教える。

 神戸市西区の会社員の男性(36)は妻と共に在宅で仕事をしながら、小学6年の長男と2年の長女の世話をする。「仕事の方が片手間になっていますよ」と苦笑いする。

 長男は友だちとオンラインゲームをするのが楽しみ。「1日1時間まで」と話し合って決めた。それでも寝る時間が午前1時を回る日があった。「そろそろ行き詰まってきた」と男性は漏らす。

 神戸新聞社は4月、インターネットで休校中の悩みを尋ねるアンケートを実施した。

 「子どもたちだけで留守番をさせている。見守れず心配」「暇な1日が始まるからか、朝起きることに意欲が湧いていない。体力を持て余している」

 保護者から千件を超える叫びが寄せられた。

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 長引く休業、休校に伴い、ドメスティックバイオレンス(DV)や児童虐待の増加が危ぶまれている。

 「心配な家庭へのケアが十分にできているだろうか」。臨床心理士で兵庫県立大大学院の冨永良喜教授(67)は、学校対応に疑念を抱く。

 学校と家庭のコミュニケーションは、教材や連絡事項の郵送や学校ホームページの掲載が主だ。冨永教授は「一方的に情報を発信するだけでなく、オンラインで健康チェックをするなどやりとりできる環境を整えるべきだ」と話す。

 「ゲーム、スマホ漬けで困っています」

 子どもと携帯電話の関係に詳しい兵庫県立大の竹内和雄准教授(55)のメールには、同じような相談がひっきりなしに寄せられる。「ユーチューブ」を夜中に見て、眠れなくなる中高生が続出。「夜に親が働きに出ている家庭は、特に依存が進むのでは」

 無料通信アプリ大手「LINE(ライン)」によると3月、ビデオ通話送信数が前月と比べて全体で34%増えた。10代に限ると、80%増にはね上がる。

 竹内准教授は学習の遅れとは異なる懸念を抱く。「友だちとはSNSでつながっている。家にこもることが楽しくなったあまり、休校明けに学校に行けなくなる子が増える」

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 神戸の学校は伝統的に、家庭訪問を熱心に行ってきた。文部科学省が2018年度に「いじめられた子どもへの対応」を学校園に尋ねたところ、神戸市は79・7%が「家庭訪問」を挙げた。全国平均(11・4%)をはるかに上回る。

 だが、感染予防のため、この手法は封じられた。そもそも学校という場があってこその家庭訪問。今、SOSに気付く機会はないに等しい。

 同市教委は5月1日、心配な家庭について電話するよう、各校に通知した。全家庭に広げる学校もある。「週に1度は連絡し、電話がつながらなければ例外的に家庭訪問してもらっていい」と市教委学校教育課。

 知らず知らずストレスがたまる子どもたち。少なくともあと3週間、この状況は続く。(斉藤絵美、井上 駿)

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<みんなで考えようこれからの学校>先生や学校について、意見や提案をお寄せください。メールはhoudou@kobe‐np.co.jp、ファクス078・360・5501

2020/5/8

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