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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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兵庫教育大准教授 川上泰彦さん
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兵庫教育大准教授 川上泰彦さん

■学校に「世間の目」意識させよう

 東須磨小学校の問題は“内向き思考”の結果だ。学校が世間からどう見られているのか、十分理解していないと思われる。閉鎖的な風土では、加害教員が自らの悪質な行為を問い直す瞬間もなく、学校が困り事を抱え込んでしまったのかもしれない。

 昔から教育は、先生が児童生徒の人格を一手に引き取るのがよしとされてきた。スクールカウンセラーやソーシャルワーカーら専門家が子どもの案件に深く関わることも少ない。学校の判断が優先され、社会の価値観とのずれを生む。

 地域が学校運営に関わる「コミュニティ・スクール」という仕組みを、神戸市でも進めてはどうだろう。校区の住民らが学校の指導方針や人事計画に意見するほか、ゲストティーチャーとなって地場産業の解説や実演をしたり、昔遊びを教えたりしてもいい。

 授業や活動を公表する機会も増える。そうすると、子どものどんな力を、どんな手法で育みたいのか、教員が説明する必要も出てくる。学校に“風”を吹き込むのが大切だ。外からの目があることで、振る舞いが妥当なのか顧みることができる。

 密室では、人間のどうしようもない面が吹き出てしまいがちだ。教員採用試験を改革しようが、致し方ない部分がある。短い時間の面接では見抜けない。学校の風通しを良くし、「世間に見られている」という意識を持たせ、自制心を促すのが現実的ではないか。

 一方、養成や研修には改善の余地がある。従来は、教材活用や授業法など、どの学校にも共通するテーマばかり設定することで“組織どっぷり”の教員が育つデメリットもあった。

 これからは、いじめ防止対策推進法の趣旨や性的少数者への配慮など、激しい社会の変化に対応したプログラムが求められる。教育委員会や教員養成系大学とも連携してアンテナを張らなくてはいけない。

 鍵は「学校を開く」。再発防止に必要な考え方だ。(聞き手・佐藤健介)

【かわかみ・やすひこ】1976年、伊丹市生まれ。東京大大学院教育学研究科修了。兵庫教育大准教授。学校運営や教員人事が専門。神戸市垂水区の中3いじめ自殺を巡るメモ隠蔽(いんぺい)問題を受けて発足した「組織風土改革のための有識者会議」の座長代理を務めた。

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 さまざまな分野の方に聞くリレーインタビュー「先生はいま 私の考え」は随時、掲載します。

2019/12/20

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