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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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神戸市立東須磨小を巡る問題の主な経緯(発覚後)
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神戸市立東須磨小を巡る問題の主な経緯(発覚後)

 それは、一本の電話から始まった。

 2019年10月の午後、神戸新聞報道部。いらだちを抑えられない声だった。

 「先生を、別の複数の教師がいじめている。いじめられている先生は学校を休んでいます」

 電話の主は、東須磨小学校の保護者、と名乗った。「学校には裏切られた思い」。通話は数分で切れた。

 同じ日、数時間後。関係者から記者に連絡があった。

 「神戸市立東須磨小の教員同士でいじめがあった。言うのも恥ずかしいのだが」と前置きし、怒りをぶつけるように続けた。「激辛カレーを無理やり、食べさせていたようだ」

 性的なメッセージをLINE(ライン)で第三者に送らせる。車を傷つける…。具体的になればなるほど信じがたかった。

 まだ、続くのか-。事の重大さはもちろんだが、記者はこの間の流れが気に掛かった。

 当時、16年に同市垂水区の女子中学生がいじめを苦に自殺、市教育委員会が証言メモを隠蔽(いんぺい)した問題が収束し、再発防止の提言がまとまったばかりだった。

 さらに市立六甲アイランド高で17年、生徒が教員に指導された後、校舎から飛び降りた事故についても、第三者委員会の調査が佳境を迎えていた。

 インターネットや会員制交流サイト(SNS)には「神戸の教育」への批判があふれ、保護者の学校不信を招いていた。

 この問題が公になれば信頼回復は腰折れどころか、粉々に砕け散る。情報提供者の第一声は「今度は、小学校ですよ」だった。

     ◆

 「まず説明すべきは市教委だ」。被害を受けた教員の代理人弁護士は当初、取材に対し、慎重な姿勢を崩さなかった。一方で市教委への不信感も見え隠れしていた。

 やりとりの末、弁護士は複数の紙を記者に示した。イニシャルを示すアルファベットが四つ。「加害者は同じ小学校に勤める先輩4人」。驚くべき被害が少しずつ明らかにされた。

 神戸市教委の担当者は記者の訪問を驚かなかった。「東須磨小で教員間のハラスメントがあった」と認めた。いじめではないか、と問うと「市教委としてはハラスメントと表現するつもり」。

 10月4日の朝刊に一報を掲載。見出しは「教員4人が同僚いじめ」だった。

 そして決定打となる動画を入手した。羽交い締めにされた教員がカレーを口に入れられている。背後に笑い声。神戸新聞は、8日に動画の中身について報じた紙面から、「いじめ」を「暴行・暴言」に変えた。

 神戸新聞のサイトで流した動画は、12万回以上見られた。その後、テレビでも同じ映像が繰り返し流れた。

 画像の提供を受ける際、代理人から被害者の思いを伝えられた。

 「教育現場から本当の意味でいじめをなくすためには、声を上げなければならない」

     ◆

 昨年秋に発覚した教員間暴行・暴言。現在、弁護士など外部の委員会による調査が進められている。シリーズ第1部はその報告を前に、教育委員会や先生の人事、給与の差し止めなど、この問題の論点を5回にわたってまとめる。(取材班)

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2020/2/3

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