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【特集】神戸・東須磨小 教員間暴行

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元校長会長・大濱義弘さん
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元校長会長・大濱義弘さん

 「神戸の教育」をどう見ますか-。市長部局出身の教育長、強い結束を誇った校長会のOB、有識者として関わる研究者に聞いた。(井上 駿)

■先生にもっと余裕を持たせて

 -「神戸の教育」の伝統って何でしょう。

 「合言葉は『子どもたちのために』。教員が一致団結してきたんですよ。仲間意識が高く、職員室は疑似家族。寄ってたかって新人を育てようとした。『いつでも授業を見に来ていいよ』という先輩もいましたね。授業作りや児童への接し方で厳しく叱られることもあり、切磋琢磨(せっさたくま)する気風がありました」

 「学校教育は『知育・徳育・体育』に大別できますが、神戸は長く『徳体知』、もしくは『体徳知』の順。教員は家庭訪問を通して保護者とつながる。厳しい成育環境の子どもたちを目の当たりにして、負の連鎖をさせないことが教育の本質だと心に刻んできました。差別はいけないと教える人権教育、人と人とが協力することを学ぶ体育に力を注いできた。すっかり悪者にされましたが組み体操も、力を合わせることの大切さを体得させてきたんです」

 -それが変わってきた?

 「数年前までは、教員同士で放課後にスポーツで交流する『職員体育』も活発でした。でも、働き方改革ですよ。それで、なくなってしまった。先輩から薫陶を受ける絶好の機会だったのに」

 -東須磨小の問題をどのように受け止めていますか?

 「がくぜんとしましたね。何をやっているんだと。震災で教員採用を絞ったために、若手教員が重用され、何か勘違いしているように感じました。十分に指導を受けられていない」

 「先生に余裕がありません。職員室でパソコンとにらめっこ。かつては担任を持つ先生同士で井戸端会議をしていたのですが、その暇もない。当然、中堅が若手を指導する余裕もない。それなのに、授業で教える内容は増える一方です。忙しさばかり拍車がかかっている」

 -教育委員会と学校の関係をどう見ていますか?

 「学校現場で事件事故が起こるたび、市教委は『ガバナンスの強化』と言うでしょ。あれは官僚的な発想。市長や教育長の顔色をうかがい過ぎているのではないですか。幹部がイエスマンになっちゃだめです」

 「以前の教育委員会は、先生の強い味方でした。学校組織も校長、教頭以下はフラットな『鍋ぶた型』だったからこそ、一致団結して阪神・淡路大震災も乗り越えられた。学校と市教委は同じ方向を向いてほしい。敵やないんですよ」

【おおはま・よしひろ】1966年、神戸市採用(小学校教諭)。91年、市教委体育保健課学校体育係長。95年、中央区の吾妻小(現中央小)に赴任。2003年、神戸市小学校長会会長。退職後、震災の語り部、市教委のスーパーアドバイザーとして若手の育成に取り組む。76歳。

2020/6/4

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